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監督指導による賃金不払残業の是正の最高額は?(平成25年度結果)

昨年暮れに厚生労働省から平成25年度の監督指導による賃金不払残業の是正結果が公表されました。

さて、1企業での最高支払額はいくら位だと予想するでしょうか?

答えは4億5,861万円です。業種は「その他事業」とされています。これに続いて第2位は4億5,056万円(小売業)、第3位は3億6,671万円(飲食店)となっています。

過重労働が話題になる全国展開の小売業や飲食店などはイメージできますが、第1位のその他事業はなんであるのかが気になります。タクシー会社でこのくらいの未払賃金を争う訴訟が起こっていたと記憶していますが、監督指導による是正ではなさそうですし、そもそも「その他事業」には該当しなさそうです。

平成25年度の1企業当たりの最高支払額は、かなり大きな金額に感じますが、以下の過去のデータからすると残念ながらそれほど大きな水準ではなく、むしろ低めの水準といえます。

平成24年度 5億408万円(卸売業)
平成23年度 26億8,844万円(建設業)
平成22年度 3億9,409万円(旅館業)
平成21年度 12億4,206万円(飲食店)
平成20年度 14億7,482万円(道路貨物運送業)

是正指導の企業数は全体で1,417企業で前年に比べて140企業の増加となっています。企業数が多いと最高金額が大きくなるということではなく、例えば平成23年度は1,312企業、平成21年度は1,221企業と平成25年度よりも全体の企業数は少なくなっています。

支払われた割増賃金の平均額は1企業当たり871万円、労働者1人当たり11万円ですが、割増賃金を1,000万円以上支払った企業が201企業で全体の14.2%、支払合計額が87億3,142万円で全体の70.7%となっていることからすると、件数的には比較的少額なものが多いということになります。

1,417企業すべてが100万円以上の支払となっているため、100万円~500万円程度という企業が多いのではないかと推測されます。

従業員数が相当多くないと億単位にはならないものの、思いもよらず多額の支払を求められる可能性があることは否定できませんので、労働時間管理などを見直すきっかけとすることも有益だと考えられます。

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