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子会社への貸付金に為替予約を付した場合の連結処理は?

今回は親会社が海外子会社に対して有する外貨建の貸付金に為替予約を付した場合の連結上の処理についてです。

親子間の債権債務が相殺消去されることにより、親会社が有する海外子会社に対する外貨建貸付金は連結上なくなり、結果として為替予約のみが残ることになります。

したがって、基本的な考え方としては、連結上は為替予約を時価評価すればよいということになります。

とはいえ、親会社が子会社への外貨建貸付金の為替予約について振当処理を採用している場合、若干処理が複雑になります。

簡単な例で考えてみます。

X1年1月1日に親会社が子会社に対して100万ドル(現地通貨)を貸し付けるとともに、金融機関と同額の為替予約契約を締結した。為替レートは以下のとおりとし、便宜上税効果は無視する。貸付金の期間は1年とする。
・取引時直物相場 1$=100円
・為替予約相場  1$=116円
・決算時為替相場 1$=125円

(貸付日)
<親会社の処理(個別)-単位:百万円>
借)貸付金 116   貸)現金預金 100
             前受収益 16

<子会社の処理(個別)-単位:万ドル>
借)現金預金 100   貸)借入金  100

(決算日-3月31日)
<親会社の処理(個別)-単位:百万円>
借)前受収益  4  貸)為替差益  4

<子会社の処理(個別)-単位:万ドル>
仕訳なし

<連結上の処理-単位:百万円>
・振り当て処理の取り消し処理
借)為替差益 4   貸)貸付金 16
  前受収益 12
  16×3ヶ月/12ヶ月=4

・貸付金の期末評価替
借)貸付金  9  貸)為替差益  9

・債権債務の相殺
借)借入金 125  貸)貸付金 125

・為替予約の時価評価(時価は△8とする)
借)為替差損 8  貸)為替予約 8

少し面倒ですが、上記のような処理が必要となります。

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