閉じる
閉じる
閉じる
  1. 18監査事務所が会計士資格を誤表記で有報訂正が必要らしい
  2. 内部統制新基準が2025年3月期より適用に(公開草案)
  3. デューデリジェンス(DD)費用の税務上の取り扱い
  4. テレワークの交通費、所得税の非課税限度額適用の有無は本来の勤務地で判断…
  5. プライム市場上場会社、88.1%が英文招集通知を提供
  6. タクシー、インボイス対応か否かは表示灯での表示を検討?
  7. 副業の事業所得該当判断の金額基準はパブコメ多数で見直し
  8. 総会資料の電子提供制度、発送物の主流はアクセス通知+議案等となりそう
  9. 押印後データ交付の場合、作成データのみの保存は不可(伝帳法)
  10. 四半期開示の議論再開(第1回DWG)
閉じる

出る杭はもっと出ろ!

過年度遡及修正会計基準による修正と税法の「確定した決算」の関係

前回に引き続きT&A master No.584から気になった記事についてです。今回取り上げるのは未公開裁決事例紹介の「過年度遡及会計基準による修正は確定決算に該当せず」というものです。

この裁決事例(平成26年6月4日裁決)では、臨時株主総会で承認された過年度遡及会計基準による修正申告は「確定した決算」には該当しないと判断され、法人税法上の「確定した決算」は定時株主総会に係る決算のみであると判断したといものです。

この事案では、会社が保有していた土地を売却し、特定資産の買い換えの特例を適用して圧縮積立金繰入勘定(特別損失)と圧縮積立金勘定を計上していたところ、税務調査で当該譲渡した土地の譲渡原価が過大(売却益の計上漏れ)である旨が指摘されました。

そこで、会社は売却益の増分だけ、圧縮積立金繰入勘定(特別損失)と圧縮積立金勘定の金額を同額増加させたBS、PLを再度作成し、臨時株主総会を開催して承認を受けた上で、修正申告を行ったところ、税務当局は、確定した決算において特別勘定を設ける等の方法等により経理したものではないから、損金の額に算入できないとして更正処分を下したというものです。

会社法的には、株主総会決議に計算書類等の瑕疵を治癒する効力はないと考えられるので、株主総会決議があろうとも間違っているものは間違っているということになると考えられますが、法人税法においては、定時株主総会の決議が重視されるということのようです。

「確定した決算」に基づき申告書を提出することとされている趣旨について、審判所は「法人税の課税所得については、会社の最高の意思決定機関である株主総会又は社員総会の承認を受けた決算を基礎として計算を基礎として計算させることにより、それが会社自身の意思として行われ、かつ、正確な所得金額が得られる蓋然性が高いという点にある。そうすると、同項の「確定した決算」とは、原則として、その事業年度の確定申告書の計算の基礎とされる決算につき株主総会又は社員総会の承認を受けたその決算をいうものと解される」としています。

そして、「本件特例を定めた措置法第65条の8第1項においても、「確定した決算」において特別勘定を設ける等の方法により経理することを要件としているが、本件特例を適用するか否かは、納税者の自由な選択に委ねられているものであり、税法上、納税者たる法人に選択の余地が認められている事項についての当該法人の最終の意思表示は、法人税法第74条第1項の「確定した決算」によるべきものと認められることから、本件特例の適用上、一旦確定した決算を修正ないし変更することにより、選択に当たっての最終の意思表示を自由に変えることは許されないと解するのが相当である。」としたとことです。

確かに、臨時株主総会で承認を受ければ、税務上の処理もやり直せるということであるとすると、多くの非上場会社では何でもアリということになってしまいますので、審判所の判断は妥当なのだと思います。

日々成長

関連記事

  1. 平成27年度税制改正大綱(その2)-繰越欠損金控除限度の引き下げ…

  2. 「重加算税」部分も遡及修正の対象になるか?

  3. 固定資産の取得価額の按分方法

  4. 資本性借入金を損金算入できるケースが明確に-金融庁が国税庁に確認…

  5. 交際費と会議費の区分

  6. 令和2年分の給与支払報告書は前倒しで提出したほうがよいらしい




カテゴリー

最近の記事

ブログ統計情報

  • 12,946,910 アクセス
ページ上部へ戻る