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規程で計算可能は未支給の賞与損金算入要件の「通知」に該当せず

T&A masterのNo.589に「未払賞与、通知なければ損金と認めず」という記事が掲載されていました。

未支給の賞与の損金算入時期については法人税法施行令72条の3第2号で以下のように定められています。

二  次に掲げる要件のすべてを満たす賞与 使用人にその支給額の通知をした日の属する事業年度

イ その支給額を、各人別に、かつ、同時期に支給を受けるすべての使用人に対して通知をしていること。

ロ イの通知をした金額を当該通知をしたすべての使用人に対し当該通知をした日の属する事業年度終了の日の翌日から一月以内に支払つていること。

ハ その支給額につきイの通知をした日の属する事業年度において損金経理をしていること。

上記から「通知」がなければ未支給の従業員賞与について損金算入が認められないというのは当然なのですが、上記の記事で取り上げられていた事案では、給与規程などにより所定の計算式により計算された金額が定期賞与として支給されることが周知されており、従業員が定期賞与の金額を計算できたという状況が「通知」に該当するかで争われました。

地裁の判決では、規程に従って計算できるだけでは「通知」には該当しないとされ、「支給額の通知といえるためには、法人において個々の使用人ごとの具体的な賞与の支給額を最終的、確定的に決定したうえで、これを使用人に表示することを要するという判断の枠組み」が示されました。

なお、当該事案について裁判所は、「支給割合は基本的には在職期間などに応じて決まるものとされているが、業績などにより支給割合が変更される余地が残されている点を指摘」したとのことです。過去において業績の影響により支給額が調整されたことがあるのか否かについては触れられていませんでしたが、「業績などにより支給割合が変更される余地が残されている」という表現からすると規程に業績により支給額が変動することがある旨が記載されていたのではないかと推測されます。

未支給の賞与を損金算入するのであれば、安易に規程で計算可能だからと判断するのではなく、面倒でも各人に通知しなければならないと考えておく必要があるようです。

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