閉じる
閉じる
閉じる
  1. 18監査事務所が会計士資格を誤表記で有報訂正が必要らしい
  2. 内部統制新基準が2025年3月期より適用に(公開草案)
  3. デューデリジェンス(DD)費用の税務上の取り扱い
  4. テレワークの交通費、所得税の非課税限度額適用の有無は本来の勤務地で判断…
  5. プライム市場上場会社、88.1%が英文招集通知を提供
  6. タクシー、インボイス対応か否かは表示灯での表示を検討?
  7. 副業の事業所得該当判断の金額基準はパブコメ多数で見直し
  8. 総会資料の電子提供制度、発送物の主流はアクセス通知+議案等となりそう
  9. 押印後データ交付の場合、作成データのみの保存は不可(伝帳法)
  10. 四半期開示の議論再開(第1回DWG)
閉じる

出る杭はもっと出ろ!

ホームページの制作費は資産計上必要か?

今回はホームページ(サイト)の制作費の取り扱いについてです。

ボリュームによっても当然異なりますが、立派なホームページを外注で制作してもらうと、300万円とか500万円といった金額が必要となることもあります。

そして、これだけ金額が大きくなると、ホームページの制作費を税務上資産計上する必要があるのだろうかという点が気になります。

この点については、ホームページの制作費用については、一般的には資産計上は不要で広告宣伝費として処理することができるが、ソフトウェアが組み込まれている様な場合には、その部分はソフトウェアとして資産計上が必要と解説されています(「減価償却資産の取得費修繕費 改訂第6訂版」など)。

一般的に広告宣伝費として一時に損金算入が認められるというのは、ホームページは頻繁に更新されるものであるからということによります。したがって裏を返すと、ソフトウェアが組み込まれていないホームページであっても、その効果が1年以上に及ぶことが確実であるのであれば、税務上は繰延資産として計上して減価償却を行っていくということになります。

上記の観点からすれば、ソフトウェアが組み込まれている場合以外は、確かに1年以上も放置されることは少ないので資産計上は通常不要と考えてよさそうです。

問題は、ソフトウェアが組み込まれているとはどのような場合なのかです。この点について、少し古い記事ですが税務通信(2987号 2007年10月08日号)ではいくつかの例が挙げられています。

例えば、ホームページ上で自社商品を検索する機能が付いている場合、「ホームページ内の情報について、サーバーを通して情報を探し出すようなプログラムは、ソフトウエアに該当するものと考えられ」ると解説されています。

これは「検索機能は、サーバーで管理している情報から入力したキーワードに関係するものを探し出すというプログラムが組み込まれているため、ソフトウエアに該当するものと考えられます。」との理由によるものです。

ここで言っている「検索機能」とは異なるのかも知れませんが、今時のホームページでサイト内検索機能が付されていないことは稀だと思います。するとサイト内検索機能をもったホームページを制作してもらうとそれはソフトウェアとして取り扱わないとならないのだろうかという疑問が生じます。

また、「ホームページには、広告宣伝目的で動画を掲載しています。これは,ソフトウエアに該当しますか。」という問いに対して、「動画の内容にもよりますが、一般的にホームページに掲載されている動画は、仕様書等が付されていること等から、ソフトウエアに該当するものと考えられます。したがって、掲載の目的が広告宣伝であっても、広告宣伝費として即時償却はできないものと考えられます。」とされています。

ということは、今まで考えたこともありませんでしたが、決算説明会の動画をIRサイトに掲載している上場企業は、この動画の制作費用(いくらかかっているのかは不明ですが)を税務上資産計上しなければならないのだろうかという疑問も生じます。

なお、「広告宣伝費の部分とソフトウエア部分の制作に要した金額が区分できる場合には、それぞれ別に処理をすることができますが、区分できない場合には、全体をソフトウエアとして資産計上する必要があります。」とされていますので、資産計上するとなったら全額資産計上必要という可能性もあります。

なんだかまずい気がしてきましたが、そもそもそのサイトの効果が1年以上に及ぶのかという観点に立ち戻って考えてみると、たとえば、特定の製品のためのサイトで、新製品の発売などに合わせて1年に1回以上は作り替えが行われるということであれば、広告宣伝費として処理するという余地もあるのではないかと思います。

ちなみに、「ホームページを流行りに合わせるため、ホームページ全体を1年ごとに作り変えています。制作費用は1,000万円と高額ですが、全体を作り変えたときに除却することができますか。」という問に対する回答は、除却可能とされています。
その上で、「通常,ソフトウエアを取得した場合は、資産計上をして3年又は5年で償却しなければなりませんが、今後事業の用に供さないことが明らかである場合は、その帳簿価額の損金算入(除却)が認められることとされています。したがって,ホームページについても、今後インターネット上に掲載しないことが明確である場合には、除却が認められることになります。」とされています。

もっとも、この流れで考えれば、資産計上した上で、実際に掲載しなくなった段階で除却ということになりますので、当初は資産計上しておくというのが無難ということになります。



関連記事

  1. 平成23 年度税制改正大綱-その5

  2. 自動車保険の免責部分は消費税の課税対象?(追記)

  3. 国税通則法の改正による税務調査手続の明確化(その2)

  4. 取引所の相場のない株式の評価-平成29年度税制改正

  5. 当然といえばそれまでですが、税額増加に同意を得ずに申告した税理が…

  6. 法人税申告書勘定科目内訳明細書の作り方(その3)-棚卸資産・有価…




カテゴリー

最近の記事

ブログ統計情報

  • 12,946,924 アクセス
ページ上部へ戻る