マイナンバー対応のシステム改修費用の取扱い
税務通信3382号の税務の動向でマイナンバー対応のシステム改修費用の取扱いが取り上げられていました。
マイナンバーへのシステム対応パターンとして以下の三つに区分して取扱いが解説されています。
- 既存の給与計算システム等をバージョンアップする場合
- 既存の給与計算システム等を改修、一部を別会社のシステムに買い換える場合
- 社内情報システム等の全てを別会社のシステムに買い換える場合
1.既存の給与計算システム等をバージョンアップする場合
既存のシステム等をマイナンバー対応のためにバージョンアップする場合に要した費用は修繕費として処理できるとされています。
番号法において「安全管理措置」が求められており、この要請に対応しなければ法令に沿ったシステム利用ができなくなってしまいます。そのため、これらに対応するために要したバージョンアップ費用は「現在使用しているソフトウエアの効用を維持するためのもの」として修繕費として処理できるとされています。
2.既存の給与計算システム等を改修、一部を別会社のシステムに買い換える場合
これは、既存の給与計算システム等の改修を行う一方で、セキュリティ対策のソフトウエアのみを別会社のソフトウエアに買い換える場合が想定されています。
この場合、、既存の給与計算システム等の改修については上記1.と同様のため修繕費として処理できる一方で、セキュリティ対策として新たにウィルス対策ソフトやファイヤーウォールソフトを購入したような場合には、取得価額が10万円以上であればソフトウェアとして資産計上が必要となるとされています。
3.社内情報システム等の全てを別会社のシステムに買い換える場合
この場合は、原則として買い換えた別会社のソフトウエア等の全てを資産計上することとなります。ソフトウェアであれば原則として5年、パソコンであれば器具備品として耐用年数4年で減価償却を行うこととなります。
なお、マイナンバー対応で既存の給与計算システム等をバージョンアップと同時に、マイナンバー制度に関係ない機能追加も実施することも考えられますが、同制度に関係ない部分は資本的支出として資産計上が必要となることから、このような場合には請求書等で内訳を明示してもらうようにしておく必要があります。
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