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有償新株予約権の発行は時価総額100億円以下で多く採用

有償新株予約権の発行を近頃よくみかけるように思っていましたが、経営財務3244号に「有償新株予約権の発行、3割長が「情報・通信」」という記事が掲載されていました。

新株予約権の評価などでよく登場するプルータス・コンサルティングが調査した結果によると、タイトルのとおり業種別に見ると「情報・通信」業が全体の3割超をしめていたとのことです。

平成23年1月から平成27年8月に有償新株予約権を発行した会社は284社でこのうち93社が「情報・通信」業の会社であったとのことです。「情報・通信」業がもっとも多いものの「サービス業」も73社という結果になっています。これに続くのが「小売業」で25社となっていますので、業種で見ると「情報・通信」と「サービス業」が主流といえます。

一方で、有償新株予約権を発行した会社を時価総額別にみると、284社中151社が時価総額100億円の会社となっています。100億円を超える次の区分は100億円超~500億円とレンジが大きくなりますが、このレンジに該当する会社が96社となっています。時価総額500億円までの会社が全体の約9割を占めるという結果となっています。

ためしに適時開示情報閲覧サービスで「有償新株予約権」を検索してみると、(株)アルメディオという東証2部の会社がありました。同社は平成27年12月11日に「募集新株予約権(有償新株予約権)の発行」を取締役会で決議しています。本日終値の時価総額は約16億円で、時価総額では上記の主流レンジにあります。業務は「その他製品」となってます。

発行内容は取締役4名に対して新株予約権の個数は5,100個(対象となる株式数は510,000株)を新株予約権1個あたり571円で発行するというものです。

権利行使価格は1円、権利行使期間は平成28年7月1日から平成30年6月30日です。なお、本日の株価(終値)は1株173円となっています。

これだけだと新株予約権1個あたり576円は安すぎるのではということになってしまいそうですが、業績面での条件等いくつかの条件が付されています。

まず業績面の条件ですが、「新株予約権者は、平成 28 年3月期の当社が提出した有価証券報告書に記載される監査済みの当社損益計算書(連結財務諸表を作成した場合は連結損益計算書)における売上高の累計額が 3,492 百万円を超過している場合にのみ本新株予約権を行使することができる」とされています。

ハードルの高い売上が設定されているのかと思いきや、同社の第2四半期報告書の通期業績予想の連結売上高は3,880百万円となっており、この新株予約権発行を決議した12月時点において業績予想を下方修正していないことからするとクリアするのは特に難しい条件ではなさそうです。

株価面での条件としては「東京証券取引所における当社普通株式の普通取引終値が一度でも取締役会決議日前日終値に 200%を乗じた価格(1円未満切り上げ)を上回った場合、普通取引終値が当該価格を上回った日以降、新株予約権者は残存する全ての本新株予約権を1年以内に行使しなければならないものとする。」とされています。

株価が2倍以上にならないと行使できないというわけではないので、これも条件としては重いものはありません。

また株価が下落した場合の条件としては「割当日から本新株予約権の行使期間が満了する日までの間に、いずれかの連続する5取引日において東京証券取引所における当社普通株式の普通取引終値の平均値が一度でも取締役会決議日前日終値に 60%を乗じた価格(1円未満切り上げ)を下回った場合」には権利行使ができないとなっています。

第三者機関にブラックショールズモデルで算定してもらった結果が新株予約権1個当たり576円だったとのことですが、上記の条件からすると感覚的には割安な感じがします。

このような事例からすると、自社の株式のボラティリティ等にも影響されるものの、条件の割に適正な価格として算出される価格が低いこともあり得るようですので、会社の立場からすれば、有償新株予約権の利用を検討する余地は大いにありそうです。

<追記>
適時開示情報を有償新株予約権で検索すると検索結果にひっかかったのは上記1件でしたが、「有償ストック・オプション」で検索すると以下のとおり検索可能な1ヶ月間で13件がヒットしました。最近よく見かけるような気がする一方で、昨日の検索結果がしっくりきていませんでしたが、やはり有償での発行は増えているようです。
2016-01-20_1

日々成長

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