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出る杭はもっと出ろ!

売上原価が「当期商品仕入」のこの会社の業種は何かわかりますか?

2016-02-08_1

上記のようなPLの会社がありました。直近決算期の売上は約62億円、売上原価の構成は商品仕入となっています。販管費の注記をみると、主なものは人件費で、減価償却費と地代家賃も比較的大きくなっています。

BSを確認してみると資産の部は以下のようになっています。
2016-02-08_3

土地は保有していないものの建物の金額は大きく、差入保証金の金額も比較的大きいという点が目立ちます。売上規模の割に売掛金は1,200万円程度しかありません。

ここまでの状況からすると店舗型の小売業を連想しますが、商品も3,200万円程度しかありません。年商60億円程度の小売業の在庫が3,200万円というのも考えにくいところです。

負債の部も確認しておくと以下のようになっています。
2016-02-08_4

借入金や社債が目立ち、やはり出店資金を他人資本で調達して拡大している小売業を連想させます。ただし、商品在庫金額に比して買掛金の残高が1億8,700万円と大きくなっています。

上記はどこの会社の財務諸表かというと3月9日にマザースに上場を予定している株式会社ブラスという会社のもので、上記は同社の財務諸表をみてどんな事業なのかを私が想像した際に考えたことです。

マザーズに上場予定なので成長可能性がある事業のはずで、年間60億円を売上ながらも商品在庫を3,200万円程度に抑えることができるという点がウリなのだろうかと思いつつ、セグメント情報を確認すると・・

答えは当社は、ウエディング事業の単一セグメントだそうです。

それなりに大きいと想像される建物で具体的にどんな商品をを売っているのだろうかと、想像を諦めて事業の内容を確認することにしました。

すると、以下のように記載されてました。

当社は、完全貸切のゲストハウスにおいて、挙式・披露宴に関する企画・運営等を行うウエディング事業を、東海地方(愛知・岐阜・三重・静岡)に展開しております。当社の事業セグメントは「ウエディング事業」の単一セグメントであります。
当社のウエディング事業は、従来からあった結婚式のスタイル(専門式場・ホテル・レストラン)ではなく、「完全貸切型のゲストハウス」とし、すべての店舗が「1チャペル、1パーティ会場、1キッチン」のスタイルであります。完全貸切型であるため、ガーデンやテラスを使った演出や、会場全体を使った装飾等のアレンジが可能であり、顧客である新郎新婦と参列するゲストに「完全なプライベート空間」を提供しております。
また、1パーティ会場であることから、結婚式場としては小型店舗であるため、用地確保の難しい大都市から、人口が比較的少ない郊外においても出店を可能としております。店舗の形態としては、人口約20万人以上の地方都市を主軸に出店する「郊外型店舗」、人口約100万人の都市に出店する「都市型店舗」、都心部への出店を可能とする「都心型テナント入居店舗」の3形態が存在し、地域の規模・特性に合わせて事業展開しております。
当社では、新郎新婦の新規来館から打合せ、結婚式当日の対応までを1人のウエディングプランナーが担当する「ウエディングプランナー一貫制」を採用しており、新郎新婦の様々な要望に対応し信頼関係を築き上げ、結婚式当日は全スタッフが一丸となって、おふたりらしいオリジナル感あふれる「それぞれの新郎新婦にとって最高の結婚式」をつくり上げております。
結婚式当日の料理は、出来立てを参列するゲストに提供できるよう、パーティ会場にはオープンキッチンを併設しており、旬の食材を取り入れた本格フランス料理を提供しております。
更に、当社では新郎新婦とのつながりを重要視しているため、結婚式を挙げた新郎新婦をそれぞれの式場に招待し、「夏祭り」を毎年開催し、挙式後も新郎新婦とつながっていられる場所を提供しております。

事業の内容はわかりましたが、売上原価は商品仕入だけなのだろうか・・・。事業系統図はというと以下のようになっています。

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ゲストハウスを準備し、式自体は完全に協力会社等へ丸投げして、「旬の食材を取り入れた本格フランス料理」も商品として仕入れているということでしょうか。確かに、ウエディング事業であれば、前金および当日決済が多いので売掛金はほとんど生じませんし、商品も大きくはならないと考えられます。一方で、買掛金は、外注の運営費ということであればそれなりに大きくなるのも理解できます。

主要な資産・負債の明細で主要取引先に名前が挙がっている会社を調べてみると「イベント・催事・工事・SP業務・飲食業」を行っている会社もあり、基本外注で式を運営しているということのようです。

ただ、すくなくともゲストハウスの地代や減価償却費は売上原価ではないのだろうかという気はします。販売代理店という位置づけであれば、サービス商品を商品仕入として取り扱うことは考えられなくはありませんが、この会社の場合は正直違和感が残ります。

売上原価明細書を作りたくなかった(あるいは作れなかった)ということなのかもしれませんね。

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