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マイナス金利と退職給付債務の割引率

マイナス金利が導入された影響で長期国債の利回りも本日時点で-0.02%となっています。

このような状況化で退職給付債務の計算に用いる割引率はどうなるのだろうと気になっていましたが、この点について第331回の企業会計基準委員会で検討が行われていました。

検討された論点は、退職給付債務の計算において国債の利回りを基礎として割引率を決定している場合において、国債の利回りがマイナスとなった場合、割引率をマイナスとすべきかあるいは0を下限とすべきかという点です。

結論は、”平成28 年3 月決算においては、割引率として用いる利回りについて、マイナスとなっている利回りをそのまま利用する方法とゼロを下限とする方法のいずれの方法を用いても、現時点では妨げられないものと考えられる”となっています。

要は、いずれも可ということです。

どちらがより望ましいのかについては”「退職給付債務の計算における割引率について国債の利回りを用いる場合に、マイナスの利回りをそのまま用いる論拠」の方が、現行の会計基準に関する過去の検討における趣旨とより整合的である”とされていますが、”本論点の取扱いが明確でないことから、ゼロを下限とした割引率を用いて決算準備作業をすでに進めている企業がある可能性がある”点に配慮し、上記の通りどちらの方法の採用も妨げられないという結論になっています。

ちなみに割引率を0を下限とする論拠としては以下の三つがあげられていました。

  1. 年金資産の運用において、運用する金融資産の利回りがマイナスになった場合、現金を保有し続けるか、利回りがプラスの他の金融資産で運用することになる可能性がある。このため、企業が従業員に支給する退職給付の額以上の債務を認識する必要はない。
  2. 将来キャッシュ・フローを「割り引く」計算において、マイナスの利回りを用いると「割り増す」こととなり、直観に反して違和感がある。
  3. システム上、マイナスの利回りを基礎とする割引率を用いて退職給付債務を計算するように設計されていない可能性がある。

最初の二つはやや苦しい論拠ですが、三番目のシステム上対応できない可能性があるという点は実務上いかんともしがたいので、0を下限とすることも認めるという判断は妥当かなという気がします。

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