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単なる計上漏れの前期損益修正の損金算入は認められず

T&A master No.630の「中小法人の損金処理をめぐる最近の税務紛争」という記事の中に「単なる計上漏れの前期損益修正、法人税法の公正処理基準に該当せず」として、ある税務訴訟が取り上げられていました。

この記事で取り上げられていたのは、過年度に発生した計上漏れ費用を前期損益修正として当事業年度で損金算入(仕入税額控除)することができるか否かが問題となったもので、結論としては損金算入が認められないという結論になっていました。

それは厳しいなという気がしましたが、この事案で問題となったのは、平成21年3月期に平成13年度に発生した派遣料の計上漏れを発見して前期損益修正として損金算入したところ、税務調査で否認されて争いになったというものです。

金額的な規模感については言及されていませんでしたが、7年くらい前の計上漏れということで、通常の期ズレとは随分イメージは異なります。

裁判において会社側は、「過年度の計上漏れを修正するための前期損益修正は会計慣行として広く受け入れられているため、法人税法22条4項の公正処理基準により損金算入ができる旨などを主張した」とのことですが、裁判所は「単なる計上漏れのような場合において、企業会計上行われている前期損益修正の処理を法人税法上も是認すると、同一の費用を複数の事業年度で計上することができることになるため、公平な所得計算を行うべきであるという法人税法上の要請に反する」と指摘し、「単なる計上漏れのように本来の事業年度で計上すべきであった損益を後の事業年度で前期損益修正として計上するような処理を公正処理基準に該当するものとして認めることはできない」という判断を下したとのことです。

では、税務上どのように処理すべきかなのですが、この点については「修正申告や更正により過去の事業年度に遡って修正することが予定されている」とされています。

金額、修正までのタイミング、各期の所得の状況等から、そこまで厳密には言われないこともあるかもしれませんが、原則的な考え方は意識しておいた方がよさそうです。

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