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出る杭はもっと出ろ!

雇用保険法等の改正(平成28年)-その1

国会に提出されていた「改正雇用保険法」「改正育児・介護休業法」等の改正案が2016年3月29日に国会で成立しました。

雇用保険料の改正など4月1日から施行となるものもあるので、改正項目について内容を確認していきます。

1.雇用保険料率の改正(引き下げ)

今回の改正によって平成28年4月1日以降雇用保険料が以下のように引き下げられました。失業率は3.2%、1月の有効求人倍率は24年ぶりに高水準となったなどと伝えられていることからすれば、当然の引き下げといえそうです。
koyou

一般事業の労働者の場合、料率が1/1000下がりますが、言われなければ気づかないレベルのものだと思います。

それほど大きな影響はないとはいえ、4月の給与計算に用いる雇用保険料率には要注意です。

2.高年齢者への雇用保険適用対象の改正

現行法では、満65歳以降に新たに職に就いた者については、雇用保険の被保険者となることができないとされています。しかしながら、団塊の世代が65歳以上となり、今後65歳以上で就業を希望する高齢者が増加すると見込まれ、雇用保険の適用対象を65歳以上の者にも拡大する必要があるとの判断から雇用保険の適用対象者の拡大が図られました。

施行日は平成29年1月1日で、施行日以降新たに雇用される者については、新たに「高年齢被保険者」という区分が設けられ、現行の「高年齢継続被保険者」も「高年齢被保険者」に統一されます。

では、高年齢被保険者の失業給付等の水準はどうなるのかですが、以下のようになっています。受給資格は離職日以前1年間のうち被保険者期間が6ヶ月以上あることです。

被保険者であった期間 1年未満 1年以上
高年齢求職者給付金の額 30日分 50日分

また、高年齢被保険者給付金の受給資格者は、常用就職支度手当(*1)、移転費、求職活動支援費、教育訓練給付金も支給対象となります。

(*1)障害のある方など就職が困難な方が安定した職業に就いた場合に、基本手当の支給残数日数が所定給付日数の3分の1未満であり、一定の要件を満たす場合に支給されます。

3.雇用保険料免除措置の廃止

従来は、毎年4月1日時点で満64歳以上の者については、「高年齢労働者」として雇用保険料が免除されています。しかしながら、上記の通り満65歳以上の新規雇用者が雇用保険の加入対象者となることとされることから、この保険料の免除措置が廃止され、原則通り雇用保険料が徴収されることとなります。

ただし、施行予定日は平成32年4月1日とされています。これは、65歳以上の労働者を多く抱える中小企業に大きな影響が出ることを懸念した経過措置とされています。

65歳以上への雇用保険適用範囲の拡大は平成29年4月1日に施行される一方で、雇用保険料免除措置の廃止が平成32年4月1日となっていますで、当面は65歳以上で新たに雇用保険の被保険者となった方は保険料を支払うことなく、給付を受けることが可能ということになるようです。

4.再就職手当の給付率の改正等

再就職手当の給付率の改正

失業時の雇用保険給付として一般的にイメージされるのは求職者給付の基本手当ではないかと思います。そもそも再就職手当とは何かですが、基本手当の受給資格がある方の早期就職を促す目的で設けられている就業促進給付の一つです。

そのため、給付率は基本手当の支給残日数が多いほうが有利に設定されています。今回の改正により給付率が引き上げられており、改正前後を比較すると以下のようになります。

 

基本手当の支給残日数 改正前 改正後
所定給付日数の1/3以上 基本手当日額×所定給付日数の支給残日数×50% 基本手当日額×所定給付日数の支給残日数×60%
所定給付日数の2/3以上 基本手当日額×所定給付日数の支給残日数×60% 基本手当日額×所定給付日数の支給残日数×70%

なお、基本手当日額の現在の上限は5,830円(60歳未満の場合)となっています。

広域求職活動費の改正

従来、公共職業安定所の紹介により広範囲にわたる求職活動を支援するために交通費等を支給するものとして広域求職活動費というものがありましたが、利用実績が極めて少ないとのことで、名称が「求職活動費支援費」に変更された上で、給付対象となる項目に「求職活動を容易にするための役務の利用」が追加されました。

「求職活動を容易にするための役務の利用」には、就職面接等に伴い、必要となる子供の一時預かりを利用するために要する費用などが含まれるとのことです。

なお、「公共職業安定所の紹介による広範囲の地域にわたる求職活動」も給付対象となっていることから、従来の広域求職活動費が支給されなくなるということではないようです。

今回はここまでとします。

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