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事業所税の確認(その2)

事業所税の確認(その1)”で事業所税の概要を確認しましたが、今回から細かい内容を確認していくこととします。

1.事業所税における「事業所等」とは?

事業所税における「事業所等」とは、自己で所有しているか賃借しているかにかかわらず、事業の必要から設けられた人的又は物的設備で、そこで継続して事業が行われている場所を意味します。

具体的には、事務所、店舗、工場などの施設が該当し、基本的には法人住民税や法人事業税で規定されている「事務所又は事業所」と同範囲となっています。

ただし、法人住民税や法人事業税で規定されている「事務所又は事業所」においては、無人の倉庫や材料置き場など従業者が常駐していいない施設は人的設備がない施設としてその範囲に含まれないとされていますが、事業所税における「事業所等」には該当することとされています。

オフィスビルの地下駐車場を賃借しているような場合には、駐車場も事業所税では事業所等の範囲に含まれるので注意が必要です。

一方で上記のとおり事業所税における「事業所等」とは「継続して事業が行われている場所」であるため、従業員の社宅や社員寮などの宿泊施設については事業所等に含める必要はないとされています。

2.申告及び納付

概要でも述べましたが、事業所税の納税義務者である法人は、各事業年度終了の日から2ヶ月以内に、事業所税の課税標準及び税額その他を記載した申告書を、指定都市等に提出し、その申告書に記載した税額を納付しなければなりません。

住民税や事業税と異なるのは事業所税には申告期限の延長制度は定められていないということと、中間納付の制度も定められていないという点です。

また、事業所税の免税点以下で納税義務がない場合であっても、事業所税の申告書を提出しなければならないことがあるという点にも注意が必要です。

東京都の場合、以下のいずれかに該当する場合には、免税点以下であっても事業年度終了の日から2ヶ月以内に通常の申告に準じた申告書を指定都市等に提出する必要があります。

  • 前事業年度において事業所税の納税義務を有していた場合
  • 事業年度の末日において、事業所等の合計事業所床面積が800㎡を超える場合
  • 事業年度末の末日において、事業所等の合計従業者数が80人を超える場合

最後に、指定都市等の区域内において事業所等の新設や廃止した場合にも申告が必要となります。例えば、東京都の場合は、その新設又は廃止の日から1ヶ月以内に、事業所等の所在地、事業所床面積及び従業者数などを申告しなければならないとされています。

3.事業所税の会計処理等

事業所税の会計処理については、諸税金に関する会計処理及び表示に係る監査上の取扱い(監査・保証実務委員会実務指針第63号)において、以下のように定められています。

① 事業に係る事業所税
当該事業年度の事業に係る事業所税は、損益計算書の製造原価項目又は営業費用項目とし、その未納付額は、「未払事業所税」等その内容を示す適当な名称を付した科目で貸借対照表に表示する。ただし、その金額が重要でない場合には、未払金その他適当な科目に含めて表示することができる。
② 新増設に係る事業所税
当該事業年度の新増設に係る事業所税は、当該新増設に係る固定資産の取得価額に算入することができる。
③ 追徴税額及び還付税額
事業所税の更正、決定等による追徴税額及び還付税額は、過年度遡及会計基準及び過年度遡及適用指針に基づき処理することになる(過年度遡及会計基準第55項参照)。

「未払事業所税」を独立掲記しているのはあまり見ないように思いますが、検索してみると、やはり件数は多くありませんが、㈱三井住友フィナンシャルグループ、㈱コジマ、㈱ゼンショーホールディングスなど他店舗展開している会社では独立掲記しているケースも確認できました。

未払事業所税をBS項目として見かけることは多くありませんが、税効果注記の内訳項目として開示されていることは比較的よくみるように思います。。

税効果注記の内訳項目として記載されることからもわかるように、会計上発生主義にもとづき対象事業年度の事業所税を期末に未払計上している場合には、法人税の申告にあたり加算する必要があります。これは事業所税は上記2で述べたとおり、申告納付方式が採用されており、事業所税の損金算入が認められるのは申告書が提出された事業年度となるためです。

継続して事業所税を計上している会社では、加算漏れが生じる可能性は高くありませんが、事業所を拡大し、はじめて事業所税を未払計上することとなったというようなケースでは注意が必要です。

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