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繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針の早期適用は17社-影響額がPL計上されているのは?

経営財務3261号の記事によると平成28年3月決算会社における「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」の早期適用実施会社は17社であったとのことです。

上記は経営財務誌が2016年5月16日までに公表された決算短信から集計した結果となっています。

早期適用が確認された17社についてみると、本質的な部分ではありませんが、監査人が新日本監査法人である数が多いという点が目につきます。単なる偶然なのかもしれませんが、17社中10社が新日本監査法人となっています。

以下、藍(はじめて見た名前の気がします)が2社、あずさ、トーマツ、三優、アスカ、至誠清新が各1社です。なお、市場別にみると東証一部が12社、東証二部が2社、ジャスダックが3社となっています。

早期適用した17社のうち、会計方針の変更に該当する新たな取扱いを適用した会社はトマト銀行とリーガルコーポレーションの2社のみで、残りの15社については追加情報での開示に留まっているとのことです。

ただし、追加情報として開示している会社のうち宮入バルブ製作所(東二、藍)では、以下のとおり法人税調整額を△1.7億円計上した旨が追加情報に記載されています。

(追加情報)
(繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針)
「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第26号 平成28年3月28日)が当事業年度末に係る財務諸表から適用できるようになったことに伴い,当事業年度から当該適用指針を適用しております。これにより,法人税等調整額△171,004千円を計上しております。

あえて追加情報で記載していることから、期首剰余金で調整すべきものを誤ってPLにヒットさせたということはさすがにないだろうと考えられます

BSを前年と比較すると、固定資産の繰延税金資産が前期末は0であるのに対して、当期末は159,717千円となっており、概ね長期項目の繰延税金資産が計上対象であることが確認できます。

とりあえず前期の有価証券報告書で繰延税金資産の内訳を確認してみると以下のようになっていました。
miyairizeikouka

上記で2期連続で繰越欠損金が存在すること、および大部分の一時差異について評価性引当額が計上されていることから同社は分類4の会社であったと推測されます。そして、BSやPL項目から今期新たに多額の一時差異が発生した感じもないことから、分類3に格上げされたということではないかと推測されます。

適用指針29項では以下のように定められています。

29. また、第 27 項にかかわらず、第 26 項の要件を満たす企業においては、重要な税務上の欠損金が生じた原因、中長期計画、過去における中長期計画の達成状況、過去(3 年)及び当期の課税所得又は税務上の欠損金の推移等を勘案して、将来の一時差異等加減算前課税所得を見積る場合、将来においておおむね 3 年から 5 年程度は一時差異等加減算前課税所得が生じることを企業が合理的な根拠をもって説明するときは(分類 3)に該当するものとして取り扱い、第 23 項の定めに従って繰延税金資産を見積る場合、当該繰延税金資産は回収可能性があるものとする。

分類4の会社では将来解消見込年度が長期にわたる将来減算一時差異に対して繰延税金資産の計上ができなかったところ、29項の適用で分類3に格上げされたことで繰延税金資産を計上できるようになったということであれば、49項(3)において期首剰余金で調整することとされる項目に該当しませんので影響額は当期のPLに計上されると考えられます。

同社の過去5年の業績推移は以下のとおりであり、分類4というよりは分類4但し書きの会社のように見えますが、さらにさかのぼってみると以下のように業績が推移しています。
gyousekisuii

gyousekisuii2

第62期から64期に大きな損失を計上しており、このあたりの影響で分類4但し書きではなく、分類4の会社と取り扱われていたのではないかと考えられます。一方で、直近5年では比較的安定していることから、3カ年計画等で課税所得が発生することを合理的に説明するということは可能と考えられます。

あくまで推測にすぎませんが、このような影響が生じる可能性もあるという意味で参考になる事例でした。

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