事業所税の確認(その4)-従業者割
”事業所税の確認(その3)-資産割”の続きで、今回は事業所税の従業者割について確認します。
納税義務と免税点
原則として、指定都市等において事業を行う法人で事業年度末日において指定都市等に事業所を有するものは、事情諸税の従業者割を納税する義務があります。
つまり、指定都市等で、従業者の数が100人を超える場合には従業者割を納税する必要が生じます。
免税点の判定
免税点の判定(従業者数が100人以下かどうか)は事業年度末日の現況において行うとされていますが、授業年度中に従業者数に著しい変動があった場合には、以下の計算式で計算される従業者数により判定を行うこととなります。なお、従業者数に著しい変動があった場合とは、事業年度(算定期間)中の各月末における従業者数のうち、最大であるものの数値が最小であるものの数値の2倍を超える場合を意味します。
3月決算会社を前提とすると、4月の従業者数が50名、翌年3月の従業者数が105名というようなケースです。この場合には、以下の算式で従業者数を計算することができます。
従業者数=事業年度の各月末における従業者数÷事業年度の月数
3月に従業者数が増加して100名を超えたような場合、不公平に感じ上記の算式を思い出すことがあるかもしれませんが、上記の算式を適用できるのは事業年度中に著しく従業者数が変動した場合のみであるという点に注意が必要です。
なお、従業者数が著しく変動した場合なので、従業員数が著しく減少した場合も、上記の計算式により計算した結果、従業者数が免税点を超えるということも考えられるので注意が必要です。
また、みなし共同事業に該当する場合は、特殊関係者の行う事業の従業者数と合計して免税点の判定を行う必要があるという点にも注意が必要です。
従業者数とは?
従業者数には役員も含まれますが、細かな範囲については、各指定都市等が公表している手引きを参照して判断することとなります。東京都主税局・都税事務所が公表している「事業所税の手引き」には、「一般の従業者のほか役員、臨時従業者、出向者等も含まれます」としたうえで、特殊な勤務形態の従業者についての取扱いとして以下の表が掲載されています。
免税点の判定時にカウントするかどうかと、給与等を課税標準に含めるかどうかはかならずしも同じ取扱いとなっていないので注意が必要です。