閉じる
閉じる
閉じる
  1. 電子取引制度対象の請求書等を出力保存した場合、「やむを得ない理由」等の…
  2. 届出漏れが原因で不支給となっていた手当は遡及して支払う必要があるか?
  3. KAMの個数は1個が7割超-経営財務誌調べ
  4. 短期前払費用特例適用の留意点
  5. 会計監査人の異動は209件-2021年度モニタリングレポート
  6. 執行役員から社長選出の定款変更が否決された株主総会事例
  7. 電子取引制度、保存要件未充足で青色申告取消になる?
  8. 2021年3月期有報、KAMなしは119社
  9. 社会保険等で引き続き押印が必要な手続きは何?
  10. 2020年4月~2021年6月に61社が減資関連の適時開示を実施
閉じる

出る杭はもっと出ろ!

有給休暇の消化を当年度付与分から優先するのは問題ない?

たまに話題になるのが、有給休暇の消化を当年不要分から優先的に消化するものとしても法的に問題ないかという点です。

これについては、労働基準法では特に定めはなく、通達も特にないので結局のところ解釈によらざるを得ないのですが、厚生労働省労働基準局編の「平成22年版労働基準法 上」では以下のように述べられています。

年次有給休暇権が発生した当該年度にその権利を行使せずに残った休暇日数は、当該年度の終了によって消滅するか否かが問題となるが、法文上年次有給休暇は当該年度に行使されなかった権利は次年度に繰り越される者と解される(昭二二・一二・一五 基発第五0一号)。なお、この繰越を認めた場合において翌年度に休暇を付与するときに与えられる休暇が前年度のものであるか当該年度のものであるかについては、当事者の合意よるが、労働者の時季指定権行使は繰り越し分からなされていくべきと推定すべきである。

上記の通り、当事者間の合意(例えば就業規則での定め)があればそれが優先されるが、そのような明確な定めがなければ、繰り越し分から消化されたと推定すべきという見解が採用されています。

上記の見解は労働法(菅野和夫 著)で述べられているものを引用したものとなっていますが、民法第479条2号により当該年度のものとすべしとの反対説があるとして、『松岡「条解(上)」、寺本「解説」』があげられています。

なお、労働法 第十一版(菅野和夫 著)では、上記の反対説に対して、「弁済の充当に関する民489条2号を引用して、当年の年休の時季指定と推定すべしとの反対説があるが、同号によるべき必然性はない」と記載されていますが、これ以上のことは書いてありません。

では、民法489条2号を引用する反対説とはどのようなものかですが、労働基準において定めがないため民法での定めに従うということになると、民法489条2号では「すべての債務が弁済期にあるとき、又は弁済期にないときは、債務者のために弁済の利益が多いものに先に充当する」とされているので、債務者(使用者)の利益が多いものとすれば、未消化分がより少なくなる当年付与分から消化されると解されるというものです。

上記のとおり正反対の結論となる二つの考え方があるので、当事者で明確な合意がなければ、どちらでなければならないというものはないわけですが、特に波風を立てたくないのであれば「平成22年版労働基準法 上」でも繰り越し分から消化を推定すべきという説がメインでとりあげられているのでこれに従っておくのが無難です。

ただし、2014年に日本経団連が作成したIFRS任意適用に関する実務対応参考事例において、有給休暇引当金の事例として取り上げられていた会社数をみると、先入先出法が2社に対して、後入先出方法が5社となっており、後入先出法の社数の方が多くなっており、繰り越し分から消化している会社も比較的多いのかもしれません。

有給の取得率が低いと、どっちから消化されようともあまり影響なかったりするのが悲しいところですが・・・

関連記事

  1. 最高裁、勤務医の残業代は高額年俸に含まれないと判断

  2. 歴史に残るブラック企業名公表第1号は「エイジス」という会社でした…

  3. 社外取締役の年間報酬平均額に大きな変動無し(労政時報2016年調…

  4. 妻が個人事業主の場合、夫の健康保険の被扶養者になれる範囲

  5. 賃金等請求権の消滅時効(労働基準法の改正)を確認

  6. 時間単位年次有給休暇の繰越

カテゴリー

最近の記事

ブログ統計情報

  • 11,298,297 アクセス
ページ上部へ戻る