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有限責任事業組合への出資者への会計処理(個別財務諸表)

今回は久々に事案にぶつかったので有限責任事業組合への出資者の会計処理について確認することにしました。

まず、有限責任事業組合の出資者の会計処理については、ASBJから実務対応報告21号「有限責任事業組合及び合同会社に対する出資者の会計処理に関する実務上の取扱い」というものが公表されています。最終改正が平成21年3月27日ですが、改めて確認したところその後の改正は行われていないようです。

1.会計処理方法は以下の三つ

実務対応報告における原則的な取扱いは、投資額を出資金(または有価証券)として計上し、当該有限責任事業組合の営業により獲得した損益の持分相当額を、有限責任の範囲内で、当期の損益として計上するというものです。これは、有限責任事業組合への出資者は基本的に出資を単なる資金運用と考えていることが多いと考えられるためです。

ただし、他の組合等への出資と同様に、その契約内容の実態及び経営者の意図を考慮して、経済実態を適切に反映する会計処理及び表示を選択するものとされているので、共同で営利を目的とする事業を営むための有限責任事業組合契約により組成され(有限責任事業組合法第2条及び第3条第1項)、原則として総組合員の同意により業務執行が決定されるという実態を適切に反映するため、出資持分に応じたBSおよびPLを取り込むという方法も認められています。

また、「状況によっては貸借対照表について持分相当額を純額で、損益計算書については損益項目の持分相当額を計上する方法も認められるものと考えられる」とされています。

2.BS計上科目は何を使うか

次に、有限責任事業組合への投資を計上する際のBS計上科目に何を使うかが問題となります。この点について、実務対応報告Q1では以下のように述べられています。

具体的には、有限責任事業組合の財産の持分相当額を出資金(意思決定及び業務執行に係る関与の度合いにより、金融商品取引法第2条第2項に基づいて有価証券とみなされるものについては有価証券)として計上し・・・

上記より基本的には「出資金」として計上することとなりますが、一方で、括弧書きの中には「意思決定及び業務執行に係る関与の度合いにより、金融商品取引法第2条第2項に基づいて有価証券とみなされるものについては有価証券」と理解しにくい内容が記載されています。

「金融商品取引法第2条第2項に基づいて有価証券とみなされるもの」って何だ?ということになりますが、金商法2条2項は有価証券とみなされるものが定義されている条文となっていますが、その第5号で以下のように定められています。
 

民法 (明治二十九年法律第八十九号)第六百六十七条第一項 に規定する組合契約、商法 (明治三十二年法律第四十八号)第五百三十五条 に規定する匿名組合契約、投資事業有限責任組合契約に関する法律 (平成十年法律第九十号)第三条第一項 に規定する投資事業有限責任組合契約又は有限責任事業組合契約に関する法律 (平成十七年法律第四十号)第三条第一項 に規定する有限責任事業組合契約に基づく権利、社団法人の社員権その他の権利(外国の法令に基づくものを除く。)のうち、当該権利を有する者(以下この号において「出資者」という。)が出資又は拠出をした金銭(これに類するものとして政令で定めるものを含む。)を充てて行う事業(以下この号において「出資対象事業」という。)から生ずる収益の配当又は当該出資対象事業に係る財産の分配を受けることができる権利であつて、次のいずれにも該当しないもの(前項各号に掲げる有価証券に表示される権利及びこの項(この号を除く。)の規定により有価証券とみなされる権利を除く。)
(以下省略)

色々な法律名が登場しますが、出資時の募集要項を確認し、上記に記載されている法律に基づいて組成されているものであれば、出資の計上科目は基本的に「投資有価証券」を用いるという理解でよいと思います。

3.PL計上科目は何を使うか

上記より一般的には有限責任事業組合への投資は「投資有価証券」として計上されていると考えられるので、「投資有価証券」として計上している場合のPL科目を確認してみると、営業外損益として「投資事業組合運用損(益)」として計上している事例が多いようです。

なお、PLの計上タイミングですが、いくつか事例を確認してみると半期に1回計上が行われていることが多いようです。これは、組合からのレポートが半期と年度で2回発行されることによるものと推測されます。

また、直近1年の単体損益計算書で「投資事業組合運用」で検索してみると169社がヒットしました。社数としてはそれほど多くありませんが、稀というほど少なくもないといったところでしょうか。

というわけで、多くのケースでは出資額を「投資有価証券」として計上し、持分相当の損益を「投資事業組合運用損(益)」として処理することとなると考えられます。

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