電子帳簿保存法の要件を充足する市販ソフトは?
こんな団体があったのかと感心しましたが、公益社団法人日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)が行っている「電帳法スキャナ保存ソフト法的要件認証制度」で、電子帳簿保存法による国税関係書類のスキャナ保存を行う市販ソフトウエアで法的要件を充足するソフトが10製品認定を受けているという記事が税務通信3454号に掲載されていました。
公益社団法人日本文書情報マネジメント協会のHPを確認してみると、富士ゼロックスが3製品を販売している他、株式会社マネーフォワード、株式会社リコー、株式会社PFUなど7社が各1製品の認証を受けていました。
個人的に気になったのはScanSnapで定評のある株式会社PFUです。認証を受けているのは「業務支援パッケージ スタンダード」という製品で、いくらくらいするのかと確認してみると、300ユーザまでの利用で標準価格は338万円となっていました。そもそも電子帳簿保存法を利用しようとするくらいの会社であれば、これくらいの値段でも問題ないのかもしれませんが、決して安くはありません。
それならば株式会社マネーフォワードの「MFクラウド経費」はどうだろうと確認してみると、ビジネスプランは1ユーザ500円となってますので、300ユーザだと月15万円、年間180万円となって、サーバー費用や運用コストを勘案すると、結果的には上記の「業務支援パッケージ スタンダード」と費用面ではあまり差がないといえそうです。
富士ゼロックスの製品も価格を確認してみると決して安いものではありませんでしたが、複合機等の導入とセットで交渉すれば値引きの余地は大きいかもしれません。
所定の手続きを経たうえで、上記のソフトを使用すれば国税関係書類のスキャナ保存が可能となるわけですが、会計監査を受けなければならない会社では監査対応の観点も考慮する必要があったり、国税以外の法律の観点で問題がないのかという点も検討が必要になると思われます。
一見便利に思えるスキャナ保存ですが、果たしてどれくらい浸透していくのか、今後の動向に注目してきたいと思います。