閉じる
閉じる
閉じる
  1. 株式の非上場化・非公開化をめぐる裁判ー株主の請求を棄却
  2. 会社未公表の情報がKAMに記載された早期適用事例は、ほとんどなしー「監…
  3. 在外子会社の使用権資産のBS表示科目
  4. GoToEatキャンペーンを企業が接待で使用した場合の判定基準は?
  5. 少額な電車代・バス代も「報酬・料金」に該当すれば源泉対象
  6. カフェテリアプランに財形メニューがあっても換金性あるとはいえず
  7. 監査基準の改訂「その他の記載内容」につき監査人の手続を明確化
  8. 株主総会で限度額が決議され、取締役会で一任決議あれば、代表取締役社長に…
  9. テレワーク導入費用の課税関係
  10. 法人に係る消費税の申告期限の特例-改正法の適用時期および適用手続
閉じる

出る杭はもっと出ろ!

平成29年度税制改正(その5)-法人税等関連(スピンオフに関する組織再編税制の見直し)

法人税関連の平成29年度税制改正の内容確認の続きです。今回は、スピンオフに関する組織再編税制の見直しについてです。

基本的に、スピンオフを行い易くする方向で改正がなされており、従来に比べて納税者に有利な改正と言えそうですので、理解しておいたほうがよさそうな改正内容となっています。「平成29年度税制改正マップ」(あいわ税理士法人 編)などにより、以下、概要を確認します。

まず、従来の取扱を確認しておくと、支配株主が存在しない法人が、単独新設分割型分割により特定の事業部門を自社から切り離したり、現物分配により100%子法人株式を自社から切り離す場合は、外部に対する売却ととらえ、分割法人に対する譲渡損益課税や株主に対する課税が行われていました。

平成29年度税制では、以下の3つのスピンオフのうち一定の要件を満たすスピンオフが適格組織再編として整理され、スピンオフを行う法人に対する譲渡損益課税や株主に対する課税が繰り延べられることとなりました。

1.事業部門の新設分割型分割

 
 これは、他の者による支配関係がない法人が単独新設分割型分割により資本関係のない法人を設立して既存事業を当該法人において独立して行う形態の組織再編となります。
 
 このケースでは以下の要件を満たす場合に適格分割として取り扱われます。

  1. 分割に伴って分割法人の株主の持株数に応じて、分割承継法人の株式のみが交付されること
  2. 分割法人が分割前に他の者による支配関係がなく、分割承継法人が分割後に継続して他の者による支配関係がないことが見込まれていること
  3. 分割法人の分割事業の主要な資産及び負債が分割承継法人に移転していること
  4. 分割法人の分割事業の従業者のおおむね80%以上が分割承継法人の業務に従事することが見込まれていること
  5. 分割法人の分割事業が分割承継法人において引き続き行われることが見込まれていること
  6. 分割法人の役員又は重要な使用人が分割承継法人の特定役員になることが見込まれていること

 色々と要件はありますが、6.では「分割法人の役員」だけでなく「重要な使用人」が分割承継法人の特定役員になる場合であっても要件を満たすこととなっています。事業部門を分割して切り離そうとする場合に、その事業部門の責任者も移動するとしても、その責任者が役員でないことも十分考えられるので、そのようなケースが想定されているようです。
 
 また、2.は適格要件という観点でみると支配関係がないことが要件となっているので、普通に読むと少し違和感がありますが、50%超であれば、通常の適格分割の範疇で考えればよいという前提によりこのような要件となっているようです。
 

2.子会社株式の現物分配

 これは他の者による支配関係がない法人が既存の100%子法人の株式の現物分配を行って当該子法人を資本関係のないグループ外の法人として独立して行う形態の組織再編となります。
 
 上記のような組織再編は、事業部門を単独新設分割型分割でスピンオフした場合と経済的実質が同一であるため、100%子会社株式を現物分配によってスピンオフする場合も適格組織再編とする方向で改正が行われたとのことです。
 
 以下の要件を満たす場合に、適格株式分配として取り扱われることとなります。なお、「適格株式分配」(適格現物分配ではない)という定義は、「株式分配」とともに今回の改正で新たに定義が設けられることとなったものです(法人税法第2条十二の十五の三)。
 

  1. 100%子法人株式の全部を分配する現物分配であること
  2. 現物分配により現物分配法人の株主の持株数に応じて、子法人株式のみが交付されること
  3. 現物分配法人が現物分配前に他の者による支配関係がなく、子法人が現物分配後に継続して他の者に継続して他の者による支配関係がなことが見込まれていること
  4. 子法人の従業者のおおむね80%以上がその業務に引き続き従事することが見込まれていること
  5. 子法人の主要な事業が引き続き行われることが見込まれていること
  6. 子法人の特定役員の全てがその現物分配に伴って退任するものでないこと

また、現物分配を受けた株主側の課税上の取り扱いも見直されており、上記要件を満たす場合は、株主側においても課税を繰り延べることとされています。

3.事業部門の新設分社型分割+子会社株式の現物分配

 これは、他の者による支配関係がない法人が単独新設分社型分割または単独新設現物出資によって100%子法人を設立して既存事業を移転した上で当該子法人の株式の現物分配を行って当該子法人を資本関係のない法人として独立させる形態の組織再編です。
 
 なんだかややこしいですが、親会社の事業を会社分割により分割して子会社Sとしたのち、S社株式を親会社の株主に現物分配して、S社との資本関係を断つというイメージです。
 
 従来は、単独新設分社型分割が適格とされるためには、分割後も分割法人と分割承継法人の間に完全支配関係がなければなりませんでしたが、今回の改正により、分割後に前記「2.子会社株式の現物分配」の適格株式分配が行われる場合には、適格要件が緩和され、現物分配の直前まで完全支配関係が継続すればよこととされています。
 
 上記はいずれも平成29年4月1日以後に行われる組織再編から適用されることとなっています。政令での定めも含めきちんと確認しておく必要があると思います。

関連記事

  1. 個人番号照会スキームが今国会で実現するらしい

  2. 自己創設営業権は時価評価対象資産に該当するか?

  3. 平成30年度査察事案では121件が告発(うち41件は消費税)

  4. 3月決算6月末申告でも一定の対応で利子税が免除になるそうです

  5. 会社役員賠償責任保険と費用負担

  6. 税理士に対する資料不提示で秘匿認定

カテゴリー

最近の記事

ブログ統計情報

  • 10,262,996 アクセス

ページ上部へ戻る