2名以上の独立社外取締役選任企業の割合は東証一部で88%に上昇
東京証券取引所は、2017年7月14日までに上場会社が提出したコーポレートガバナンス報告書に基づき集計した結果を、7月26日に「東証上場会社における独立社外取締役の選任状況及び委員会の設置状況」として公表しました。
当該資料によると、東証一部上場企業2021社のうち、2名以上の独立社外取締役を選任している企業は前期より212社増加し1,778社となっています。比率で見ると8.3%増加し、88%となっています。
コーポレートガバナンスコード導入後、2名以上の独立社外取締役の選任企業数は増加してきていますが、他の市場での状況は以下のとおりです。
(出典:「東証上場会社における独立社外取締役の選任状況及び委員会の設置状況」)
新興市場での割合はそれほど高くありませんが、興味深いのは、JASDAQよりもマザーズの方が2名以上の選任割合および伸び率が高くなっているという点です。マザーズへの上場企業は数年で本則市場への市場変更するケースも多く、本則市場への市場変更を見据えて早い時期から社外取締役2名体制を構築していることが多いということなのかもしれません。
また、市場別に社外取締役の選任数が0名の企業割合をみてみると、東証一部および二部の本則市場では、それぞれ24社(1.2%)、30社(5.7%)であるのに対して、マザーズおよびJASDAQではそれぞれ、199社(26.5%)、38社(15.8%)となっています。JASDAQでは約1/4が社外取締役を選任していないということで、これは思ったよりも高い割合で驚きました。
委員会の設置状況についても、増加傾向にあるのは社外取締役の選任状況と同様ですが、任意の指名委員会については東証一部上場企業であっても設置している企業は全体の28.6%(前年比4.6%増)と、それほど高い水準ではありません。
任意の報酬委員会についても、設置割合は全体の31.7%(前年比5%増)とそれほど高い水準ではありません。
任意の委員会についても、コーポレートガバナンスコードで触れられている項目でありますが、こちらままだまだ様子見という会社が多いといえそうです。