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出る杭はもっと出ろ!

有償新株予約権の会計処理-公開草案コメントは253件で大部分は反対意見

2017年5月10日にASBJから公表され、7月10日にパブリックコメントが締め切られていた実務対応報告公開草案52号「従業員等に対して権利確定条件付き有償新株予約権を付与する取引に関する取扱い(案)」ですが、2017年8月25日に公表されたパブリックコメントが、なんと253件もあったそうです。

ASBJのホームページを確認してみると、法人・個人を問わず、確かに数多くのコメントが寄せられていることが確認できました。本当に253件なのかを確認する気にはなれませんでしたが、かつてこれほどまでにコメントのPDFが添付されているのを見た記憶はありません。

T&A master No.707「有償新株予約権の行方」によれば、”「253」というコメント数は、おそらくこれまで出された公開草案の中で最多だろう」”とのことです。ファイルを一つ一つ見ていく気にはとてもならない数ですが、上記の記事によると、253件のコメントのうち、ストック・オプション会計基準に含まれるとする案(質問1)への反対が203件だったと分析されています。

思った以上に有償新株予約権を利用している(しようと考えている)企業等からの反発が強かったということのようです。コメントを提出している法人などをみていくと、面白いところでは、つい先日マザーズに上場したウォンテッドリーが、質問1に対する反対意見を表明していました。この他、発行価格の算定などの業務をおこなっている会社にも影響があると思って、確認してみると、プル-タス・コンサルティングは質問1~4まですべてに対してしっかり反対を表明していました。

実務担当者からすると、理論的云々よりも費用計上が不要な従来の処理は魅力的であると思いまが、理論的な反対意見としては、報酬性がないという意見が多数であったとのことです。すなわち、有償新株予約権の取得は、リスクをとって公正な価格で取得したものだから、単なる投資で報酬ではないだろうというものです。

もっともな理屈なのですが、有償新株予約権の発行事例では、1個あたりの価格が非常に低額で設計されていることが多いように思いますので、取得する数にもよりますが、リスクというほどのリスクでもないよなという点が、やや痛いところです。

さて、これだけ多くの反対意見が寄せられた公開草案がどうなるのかですが、ASBJは、「従業員等に対して権利付き有償新株予約権を付与する取引については、従業員等が一定の額の金銭を企業に払い込むという点で資金調達としての性格を有すると考えられる」としつつも、「企業は追加的なサービスの提供も期待して権利確定条件付き有償新株予約権を付与しているものと考えられることから、報酬としての性格も併せ持つ」などとして、現時点では公開草案を見直す方針はないとのことです。

というわけで、公表が多少遅れるかもしれませんが、基本的には有償新株予約権についても、基準公表後は費用計上が必要となることになりそうです。そして、上記記事には、時価発行新株予約権信託が、新興上場企業を中心に広がりつつあると紹介されています。

株式会社PR TIMES、株式会社インベスターズクラウドなど今年に入って7社が導入のリリースを行っているとのことで、今後採用が増加していくのではないかとされています。新たな選択肢の一つとして、勉強しておく必要がありそうです。

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