株主総会開催を決算日後4ヵ月以内とする事例がでてきました
経営財務3327号の「決算日から4ヵ月後の株主総会、定款変更で実現へ」という記事で、株主総会の開催日を決算日後4ヵ月以内とする会社がでてきたという事例が紹介されていました。
事例として紹介されていたのは、業務用洗剤等の製造販売を手掛ける株式会社ニイタカ(東証一部、5月決算)と椿屋珈琲店等を展開する東和フードサービス株式会社(ジャスダック、4月決算)の2社です。
まず、株式会社ニイタカ(東証一部、5月決算)では、以下のように定時株主総会で定款の変更が提案され、賛成99.76%で原案どおり承認可決されたとのことです。
(株式会社ニイタカ 「第55回定時株主総会招集ご通知」より一部抜粋)
定款の変更理由としては以下の二つがあげられています。
(1)猛暑の時期の株主総会開催を避けることにより、会場にお越しになる株主様の熱中症等のリスクを低減するため。
(2)定時株主総会の開催日を柔軟に設定することにより、株主様との建設的な対話を促進するため。
(1)の理由が先に来ているのが8月に株主総会を開催する5月決算会社らしいと思われます。もっともらしい理由ですが、8月総会だと、特にお盆休みがあったりするので、日程的に後にずらせるならずらしてしまいたいという側面もあるのではないかと推測されます。
次に東和フードサービス株式会社では以下のとおり定款変更が提案され、賛成92.66%で原案どおりに可決されたとのことです。株式会社ニイタカの賛成率と比較するとかなり開きがありますが、臨時報告書を確認してみると賛成数30,580個に対して反対数は39個に過ぎませんので、実質的にはかなり高い賛成率で承認可決されており、集計上加算されなかった株主の割合の差によるものと考えられます。
(株式会社東和フードサービス 「第18期定時株主総会招集ご通知」より)
変更理由については、「経営情報の適時・的確な開示によるさらなる経営の透明性を図り、株主総会の開催時期の設定について柔軟な対応を可能にすることで、株主の皆様との対話の機会を広げるため」とされています。
「経営情報の適時・的確な開示」の「適時」という部分には多少疑問を感じますが、こんな記載例もあるということで、参考事例としておさえておくのは有用だと思います。
監査等委員会設置会社ほどの広がりはみせないだろうと予想してますが、とはいえ、今後も事例は増加していくと思いますので、継続フォローしていこうと思います。