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出る杭はもっと出ろ!

労働関係助成金の生産性要件が改正されました

労働人口の減少が見込まれる中で、今後労働生産性向上を図ることが不可欠であることから、一部の労働関係助成金については、あらかじめ定められた生産性要件を満たした場合には助成額がアップするものが設けられています。

具体的には以下の労働関係助成金について、生産性要件が設けられています。なお、ここでいう生産性とは付加価値(営業利益+人件費+減価償却費+動産・不動産賃借料+租税公課)を雇用保険被保険者数で除した社員1人当たりの付加価値を意味し、基本的には助成金の申請を行う直近の会計年度における生産性が、その3年前に比べて6%以上伸びていることが必要とされます(一定の場合は1%以上)。

・人材開発支援助成金
・キャリアアップ助成金
・両立支援等助成金
・65歳超雇用推進助成金
・労働移動支援助成金
・地域雇用開発助成金
・職場定着支援助成金
・人事評価改善等助成金
・建設労働者確保育成助成金

そして2017年10月以降の申請分から、生産性の計算方法等が一部変更されています。厚生労働省の公表している資料によると大きな変更点は以下の2つです。

一つ目は、生産性の算定要素である「人件費」について、「従業員給与」のみを算定することとし、役員報酬等は含めないこととされました。役員は一般の労働者とは異なるので、理解できるものの、助成金を申請することが多い中小企業においては役員といえども労働者とそれほどおおきな違いがないことも多く、この改正の影響を大きく受けるケースも想定されますので注意が必要です。

二つ目は、生産性を計算する際の分母となる「雇用保険被保険者数」ですが、10月申請分より、「会計年度の末日現在の人数」を記載することが必要となりました。3月決算の会社には影響ありませんが、3月決算会社以外の場合、従来は「3月末現在の人数」でも可とされていました。これも、会計年度末で統一した方が公平だと思われますが、従来は選択の余地があったことにより生産性要件を満たすことができたというケースもあり得ますので、これも注意が必要です。

では、生産性要件を満たすことによってどれくらい助成金の金額が異なるのかですが、例えば、人材開発支援助成金の場合、通常の助成額が47.5万円であるのに対して、生産性要件を満たす場合は60万円、キャリアアップ助成金のうち正社員化コース(有期→正規)の中小企業の場合、通常の助成額が57万円に対して、生産性要件を満たす場合は72万円となっています。

それほど大きな違いはありませんが、要件さえ満たせば増額されるので、助成金を申請する際は、生産性要件を充足しているのかのチェックは必要です。

ところで、助成金は要件さえ満たせば申請し受給できるものですが、それ故、際どい助成金申請コンサルのようなものが横行しているという話を耳にします。例えば、人材開発支援助成金のうちセルフキャリアドック制度では、従業員が主体的にキャリア・プランを考え、働こうとする意欲を高めるためのキャリアコンサルティングを定期的に実施する仕組み(セルフキャリアドック制度)を導入し、実施することにより支給をうけることができるというような助成金となっています。

そしてこの助成金の場合、雇用する被保険者数が20人未満の場合は、最低適用人数1名で申請することが可能です。キャリアコンサルティングはキャリアコンサルタントによって行われるので、通常は外部のコンサルタントに対する費用が発生するものの、とりあえず1名のみ実施して47.5万円を受給できると説明されれば、コンサルタントに手数料を支払ってもやってみようとするケースもあるものと思われます。

しかしながら、一方で就業規則に以下のような規定を追加する必要があるため、継続的に実施する気が本当にあるのかという点はよく考えてみる必要があります。以下の記載は、厚労省のパンフレットに記載されている例なので、規定の仕方は必ずしもこのとおりである必要はありませんが、規定に縛られることになるという点は認識しておく必要があります。

規定例
(セルフ・キャリアドック制度)
○条 会社は、労働者に、ジョブ・カードを活用したキャリアコンサルティングを定期的
に行う。
2 キャリアコンサルティングを受けるために必要な経費は、会社が全額負担する。

47.5万円であっても営業利益率が5%の会社にとっては950万円の売上相当の価値がありますので、飛びつきたくなる気持ちも理解できますが、きちんと運用するつもりがないのであれば不正受給と紙一重といえるのではないかと思います。

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