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条件付対価返還の会計処理を明確化する方向で検討

2017年10月13日に開催されたASBJの企業結合専門委員会において、「企業結合に関する会計基準」における条件付対価について、対価が返還される場合の会計処理を明確化するための検討が開始されたそうです。

現行の「企業結合会計基準及び事業分離等会計基準に関する適用指針」において条件付取得対価の会計処理については第47項では以下のとおり定められています。

47. 条件付取得対価の会計処理は、次のように行うものとされている。
(1) 将来の業績に依存する条件付取得対価
「企業結合契約において定められるものであって、企業結合契約締結後の将来の特定の事象又は取引の結果に依存して、企業結合日後に追加的に交付又は引き渡される取得対価」(企業結合会計基準 (注2))(以下「条件付取得対価」という。)が、「被取得企業又は取得した事業の企業結合契約締結後の特定事業年度における業績の水準に応じて、取得企業が対価を追加で交付する条項がある場合等」(企業結合会計基準 (注3))、企業結合契約合意後の将来の業績に依存する場合には、「条件付取得対価の交付又は引渡しが確実となり、その時価が合理的に決定可能となった時点で、支払対価を取得原価として追加的に認識するとともに、のれん又は負ののれんを追加的に認識する」(企業結合会計基準第27項(1))とされている。
 「追加的に認識するのれん又は負ののれんは、企業結合日時点で認識されたものと仮定して計算し、追加認識する事業年度以前に対応する償却額及び減損損失額は損益として処理する」(企業結合会計基準 (注4))とされている。
 なお、条件付取得対価は、企業結合日後に追加的に交付又は引渡されるものに限定されるものと解される。

しかしながら、上記は「企業結合日後に追加的に交付又は引渡されるもの」の会計処理であるため、業績未達成の場合に対価の一部を売手が返還するような条件が設定されており、実際に対価の一部が返還されたような場合の会計処理が不明確であるというような指摘がなされていました。

追加で対価を支払う場合に「のれん又は負ののれんを追加的に認識する」とされているので、対価を返還する場合も基本的には「のれん」で調整するのだろうという解釈は働くわけですが、この点ASBJの審議においても「対価の交付を行う場合も対価の返還を受ける場合も,買い手と売り手の間のリスク分担により設定されるもので,それ以外に異なる性質はない」とされ、「同様の処理を行うべき」との意見が出されたとのことです(経営財務3331号「ASBJ 条件付取得対価、返還される場合の処理を明確化へ」)。

具体的には、上記適用指針47項(1)に以下の文言を新設することが提案されているとのことです。

一方,条件付取得対価が企業結合契約合意後の将来の業績に依存して返還される場合には、条件付取得対価の返還が確実となり、その時価が合理的に決定可能となった時点で,返還される対価を取得原価から減額し、企業結合時ののれん又は負ののれんの金額を再計算する。
そのうえで、対価の返還を受ける時点において、当該再計算されたのれんの未償却残高が当初ののれんの未償却残高より小さい場合は、のれんを減額する。
また、減額されたのれんの金額と返還された対価の金額との差額は損益として処理する。

 
上記のとおり改正されても大きな影響はないと思われますが、条件付対価の処理については、IFRSとの差が生じている部分なので、今後さらなる見直しが行われるのかのほうが気になります。

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