誤って提出した過去の償却資産申告書の修正方法
平成30年度にかかる償却資産の申告期限が来月末となっていますが、税務通信3486号の税務の動向に「廃却済みの償却資産の申告で過誤納金が生じているケースも」という記事が掲載されていました。
3月決算の会社が毎期固定資産の棚卸を実施していたとしても、償却資産の申告後に、廃却済みの固定資産の除却処理が漏れていたということが発覚する可能性はあります。
このようなケースにおいては、過誤納金の還付を受けることができますが、「自治体側から修正後の固定資産税の賦課決定を受ける方法については、特段法令等で規定されていない」とのことですが、「基本的には、過去に提出した「償却資産申告書」を修正等し、再提出することになる」とのことです。
法令等で修正方法が規定されていないとのことで、いくつかのパターンが考えられ、税務通信の記事では以下の二つの方法が紹介されていました。
一つ目の方法は、「誤った償却資産申告書を”差し換え”るパターン」で、この場合、申告書の上欄余白部に「修正」と記載して、正しい申告書を再提出することとなります。つまり、廃却済みであることが判明した資産について「前年中に減少したもの」の欄の金額を修正し、あるべき申告書の形にして提出するということになります。
二つ目の方法は、「誤った部分を追加”修正”するパターン」で、この場合、提出済みの誤った申告の「計」の欄の金額を「前年前に取得したもの」の金額に記載したうえで、追加で訂正する分のみを「前年中に減少したもの」の欄に記載する方法です。提出済みの申告書から変更した部分のみを明確に表示することに主眼をおいた方法といえます。
どちらを採用するかは好みの問題だと思いますが、個人的には変更部分が明確になっている後者の方法のほうがよいかなという気はします。
なお、本来納する必要がない過誤納金が生じている場合、法定納期限から5年以内で還付が受けられますので(地法11の4①、17の5⑤、362①)、来年1月の償却資産申告書の提出に合わせて見直してみるのがよいでしょう。
ただし、過去の申告内容を修正して還付を受けようとする場合、「廃棄したことを証明する書類」の提示が求められることが一般的で、そのような根拠資料がない場合は、遡っての修正は認めてもらえない可能性があるようですので、社内手続きも合わせて見直す必要があるかもしれません。