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平成30年度税制改正による返品調整引当金の廃止等

以前も少し取り上げましたが、会計上「収益認識に関する会計基準」が導入されることを受け、平成30年度税制改正大綱では、返品調整引当金および延払基準が廃止されることとされています。

返品調整引当金については、「収益認識に関する会計基準(案)」では、返品が見込まれる部分を収益に計上しないこととされている一方で、現行の法人税法において、返品調整引当金を損算入するためには損金経理が要件とされており、「収益認識に関する会計基準」が適用開始となると損金経理要件を満たせないこととなるといわれていましたが、平成30年度税制改正において返品調整引当金は廃止されることとなりました。

また、延払基準についても、法人税法上、延払基準を適用するためには延払基準の方法により経理処理をすることが必要とされていますが(法法63条)、「収益認識に関する会計基準(案)」では、割賦販売については商品または製品の販売時に収益を全額認識しなければならないため、返品調整引当金同様、延払基準についても新会計基準が適用されると経理要件を満たすことができないといわれており、こちらも平成30年度税制改正によって廃止されることとなりました。

しかしながら、影響を受ける会社が多いためか、上記の廃止に伴う経過措置はかなり配慮されたものとなっています。

まず、返品調整引当金については、「平成30年4月1日」に返品調整引当金の対象となる事業を営む法人は、「平成33年3月31日」までに開始する各事業年度において、現行どおり損金算入限度額の引き当てが認められます。

これは、「収益認識に関する会計基準(案)」において、適用時期が平成33年4月1日以後開始する事業年度とされていることとの整合を図ったもので、特に経過措置が手厚いというものではありません。

一方で、「平成33年4月1日から平成42年3月31日まで」に開始する各事業年度(9期間)においては、従来の損金算入限度額を1/10ずつ縮小した金額を損金算入することとされています(つまり、平成34年3月期に従来の9/10となり、以降1/10ずつ減少し、平成42年3月期に1/10、平成43年3月期にゼロ)。

平成33年4月とか、元号が変更後にいったいいつからなのかがわかりにくくなりそうですがが、従来通りの取り扱い期間も含め10年以上経過措置を引っ張ることとなります。

次に延払基準については、「平成30年4月1日」前に長期割賦販売等を行った法人については、平成35年3月31日までに開始する各事業年度において、現行の延払基準に基づく処理が認められます。

とはいえ、新会計基準の適用が強制される会社の場合、上記の通り平成33年4月1日以後開始事業年度から新会計基準の適用が開始されるため、税法上の経過措置をフルに活用することはできないということになります。

経過措置の途中で延払基準に基づく経理処理をやめた場合にどうなるかですが、この場合はその時点の繰延割賦利益を新基準を適用した事業年度から10年均等で収益計上することとされています。

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