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監査人交代理由は「任期満了」が8割

経営財務3357号に「監査人交代に関する調査(4)」として、監査人交代の経緯及び理由の調査結果が掲載されていました。

以前、”監査人交代時の開示の充実化を検討”で、日本公認会計士協会が平成29年6月30日に公表した「監査人交代の理由等に関するアンケート調査結果」について取り上げましたが、この調査結果は、平成26年4月から平成28年3月までに監査人交代で臨時報告書を提出した上場会社216社を対象として実施されたものであったのに対し、経営財務の調査は2008年~2017年の交代件数959件を対象としたものとなっています。

なお、複数の理由を挙げている事例は1件ずつ集計されているとのことです。

交代の経緯は全959件中802件が「任期満了」と、全体の83.6%となっています。なお、単に「任期満了」とのみ記載している事例は687件(全体の71.6%)とされています。会計士協会の調査結果でも「任期満了」が158社のうち118社(74.7%)とされており、監査人交代時の開示充実が検討される位なので、長期にわたり同様の傾向が継続していたといえそうです。

「任期満了」以外では、「監査人からの監査契約解除の申出」が56件(5.8%)、「合意解除」が47件(5.9%)と続きます。「会社側からの監査契約解除の申し入れ」は16件(1.7%)と、「監査人からの監査契約解除の申出」の3分の1以下となっていますが、年度の途中で契約を解除すると何かと大変なので、その年度は我慢するためだと考えられます。

異動理由について記載されていたのは延べ237件(24.7%)で、これには「任期満了」に加えて交代理由を記載しているような事例が含まれているとのことです。

交代理由として最も多かったのは「連結グループ間での監査人統一」で78件(8.1%)となっています。これに「監査報酬・監査日程等の契約条件が折り合わず」43件(4.5%)、「監査期間の長期化、定期的な見直し」24件(2.5%)が続いています。

「連結グループ間での監査人統一」は、感覚としてもよく見かける理由で、これが理由であれば、開示担当者も何のためらいもなく理由を記載すると考えられます。「監査報酬・監査日程等の契約条件が折り合わず」は、あまり書きたくない理由ですが、交代の経緯で「監査人からの監査契約解除の申出」や「合意解除」がそれなりにあることからすると、これらの理由とセットで開示されることが多いものと考えられます。

東芝の一件以後、比較的よくみかけた気がする「監査期間の長期化、定期的な見直し」は24件(2.5%)と個人的には意外な感じがしましたが、この24件は最近多くなっている理由なのかもしれません。長期化は分かりますが一定の期間を定めて「定期的な見直し」をしている会社はどこなのかは気になりますが、事例はみつかりませんでした。

最後に、「不適切な会計処理、不祥事」が監査人の交代につながることはあります。世間を騒がせる大きな粉飾などのイメージが強いものの、件数は18件(1.8%)と多くありません。たまに大きな問題が生じるものの、基本的には監査人も真面目に仕事をしていますので、当然といえば当然です。

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