消費税も税務調査の重点項目になっているそうです
税務通信3506号の税務の動向に「禁煙は消費税も税務調査の重点項目に」という記事が掲載されていました。
消費税の調査といえば、法人税の調査のついでに行われるというイメージでしたが、「最近は、消費税をメーンとする税務調査も行われているという。とりわけ、消費税の仕入控除税額の計算で個別対応方式を採用している大企業に対し、課税仕入れの用途区分の適否を確認することも多いそうだ」とのことです。
2011年には30%であった法人税率は徐々に引き下げられ、2018年4月1日以後開始事業年度からは23.2%となっています。一方で消費税は導入当初(1989年)の3%から5%、8%と引き上げられ、2019年10月には10%に引き上げられる予定となっており、税目間での相対的な重要性が高まっているといえます。
法人税、所得税、消費税の税収推移を財務省のHPで確認すると、「一般会計税収の推移」として以下のグラフが示されていました。2008年以降の税収総額順位は所得税、消費税、法人税の順は変化していませんが、消費税が8%増税以降は所得税と消費税に大きな差はなくなってきています。消費税を1%あげると2兆円程度の税収増と言われていますので、消費税が10%に引きげられると、以下のグラフの順序も消費税、所得税、法人税の順になるものと推測されます。ただし、少子高齢化が進むとそもそも消費が減少すると推測されますので、消費税増税の効果が従来のように最悪でも横ばいで推移するのかは疑問が残るところではあります。
(財務省HPより)
税務通信の記事では、住宅として賃貸中の建物を譲渡目的で取得した場合の課税区分の誤りが指摘された事例(裁決事例)が取り上げられていました。これは、建物部分に係る消費税を「課税売上対応」としていたところ、不動産取得の目的に賃貸収入を得ることも含まれていると判断されるため「共通対応」に区分することが相当と判断されたというものです。今は関係なくても、このような裁決事例に目を通しておくことが、思いがけない指摘の予防策となるのではないかと思います。