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商品券は非行使部分の取扱いに注意-収益認識会計基準

経営財務3565号に「ここが変わる!収益認識の会計・税務 第1回 商品券~非行使部分の取扱いに留意」という記事が掲載されていました。

上記は、収益認識会計基準が適用された場合に、従来の会計処理から変更される論点を中心に、数回にわたり連載される予定の第1弾の記事となっています。商品券を発行する側の処理なので、関係する人は少ないと思いますが、商品券の歴史なんかも書かれていたので取り上げることとしました。

上記の記事によれば、「日本で最初に発行された商品券は、鰹節で有名な「にんべん」が江戸時代後期に発行した銀製の薄板で作られた商品券であるといわれている(同社ウェブさいとより)」とのことです。

現在の商品券のような紙ではなく、「銀製」なので、商品券自体に価値があったということではないかと推測されますが、それにしても江戸時代から商品券があったというのは驚きです。

さて、自家型発行の商品券について、従来、法人税では、原則として商品券を発行した時に益金算入することとし、例外的に商品の引き替えの都度収益計上することが認められていました(旧法人税基本通達2-1-39)。商品券発行時に益金算入が原則であったというのは、今さらですが意外な感じがします。

実務上は、例外処理が採用されていたようで、「一定期間使用されない商品券については、旧法人税基本通達2-1-39に従い、一定期間経過後に商品券の負債計上を中止して収益計上するといった実務が行われてきた」とされています。そして、収益認識した商品券が将来使用されると見込まれる部分については、商品券回収損失引当金などの計上が検討されていたとのことです。

収益認識会計基準では、第78項において「財又はサービスを顧客に移転する前に顧客から対価を受け取る場合、顧客から対価を受け取った時又は対価を受け取る期限が到来した時のいずれか早い時点で、顧客から受け取る対価について契約負債を貸借対照表に計上する。」とされていますので、負債計上科目として何を用いるかという問題はあるものの、基本的には従来の実務と同様の処理が行われることとなります。

一方で、商品券が使用されない部分についての取扱いについては、適用指針第54項において以下のように規定されています。

契約負債における非行使部分について、企業が将来において権利を得ると見込む場合には、当該非行使部分の金額について、顧客による権利行使のパターンと比例的に収益を認識する。
契約負債における非行使部分について、企業が将来において権利を得ると見込まない場合には、当該非行使部分の金額について、顧客が残りの権利を行使する可能性が極めて低くなった時に収益を認識する。

これにより、会計上は従来の実績などから未使用分が見込まれる場合には、使用見込合計に対する実際の使用額の割合に応じて、未使用見込み分を収益認識することとなり、従来実務で行われていたような引当金計上は認められないということになります。

一方で、法人税法上は、法人税基本通達2-1-39の2「非行使部分に係る収益の帰属の時期」で以下のように述べられています。

法人が商品引換券等を発行するとともにその対価の支払を受ける場合において、その商品引換券等に係る権利のうち相手方が行使しないと見込まれる部分の金額(以下2-1-39の2において「非行使部分」という。)があるときは、その商品引換券等の発行の日から10年経過日等の属する事業年度までの各事業年度においては、当該非行使部分に係る対価の額に権利行使割合(相手方が行使すると見込まれる部分の金額のうちに実際に行使された金額の占める割合をいう。)を乗じて得た金額から既にこの取扱いに基づき益金の額に算入された金額を控除する方法その他のこれに準じた合理的な方法に基づき計算された金額を益金の額に算入することができる。

「10年」は何かですが、経営財務の記事によれば、「商品券使用に関する実態の目安であるほか、帳簿書類の保存期間が10年であることが理由に挙げられるようだ」とのことです。

会計上は10年というような縛りはありませんが、適用指針第54項の後半では「当該非行使部分の金額について、顧客が残りの権利を行使する可能性が極めて低くなった時に収益を認識する」とされており、商品券使用の実態が10年ということであるならば、この規定を適用することで、「実務的に大きな差ではないかもしれない」とされています。

最後に、非行使部分については、資産の譲渡等に該当しないため、消費税は課税されないとのことです。

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