ムゲンエステートに続きエーディーワークス(東一)が仕入控除否認で不服申立へ
T&A masterで度々取り上げられているマンション販売事業者の仕入れ税額控除否認問題で、ムゲンエステートに続き、東証一部上場のエーディワークスが不服申立を行う方針とのことです。(T&A master No.752「仕入控除否認で東1上場企業が不服申立」)。
同社が7月31日に公表した「過年度消費税相当額等の引当てに伴う特別損失の計上に関するお知らせ」 によれば、7月31日に過年度消費税に関する更正通知書を税務当局より受領したとされ、過年度消費税相当額等を引当てることにより、757 百万円の特別損失を計上するされています。
上記は 税務調査の対象となった2015年3月期から2017年3月期の追加納付金及び加算金537百万円と、今回の調査対象期間外である2018年3月期を同様に処理した場合に追加納付が必要となると見込まれる220百万円の合計となっています。
今回の更生処分に対し、会社は更生処分に対する方針として以下のように開示を行っています。
当社の当該消費税に係る税務処理については、過去数回にわたる消費税も含めた税務調査において、何ら指摘や議論の対象としてとりあげられた事実はなかったことから、当社といたしましては、長年にわたり、当局も認める適法な税務処理方法との認識の下、税務処理を行ってまいりました。今回の税務調査において突如、その税務処理方法の変更を求められたことから、大変困惑をすると同時に、当社としての説明責任を尽くすために協議を継続してまいりました。しかしながら今般、本件通知を受領するに至ったことを受け、まことに遺憾ながら、改めて当社の見解を主張してまいるべく、本件通知に対する不服申立ての手続きを検討することにいたしました。
過去数回の税務調査で問題とされていなかったとはいえ、同業者で問題となっていることから同社も気にはしていたと思いますが、実際に更生処分を受けることとなって「大変困惑」といったところではないかと思います。
最終的に決着がつくまでは相当時間がかかると思われますが、同様の争いは今後、増加していくのではないかと思われます。