東証一部で独立社外取締役を2名以上選任している会社の割合が9割超に
2018年7月31日に東京証券取引所が公表した「東証上場会社における独立取締役の選任状況、委員会の設置状況及び相談役・顧問等の開示状況」によると、2名以上の独立社外取締役を選任する東証一部の会社は91.3%と初めて9割を超えたとのことです。
2017年の調査では、88.0%となっており、既に相当高い割合となっていたので、そろそろ打ち止めになるのかなと思っていましたが、さらに3ポイント以上あがっているというのには驚きました。
JPX日経400に限ると、独立社外取締役を2名以上選任している会社の割合は97.7%とのことです。
2011年以降の推移は以下の通りとなっています。
(出典:「東証上場会社における独立取締役の選任状況、委員会の設置状況及び相談役・顧問等の開示状況」)
3分の1以上の独立社外取締役の選任状況も、東証一部上場会社では1/3をわずかに超えて33.6%(昨年:27.2%)、JPX日経400では40.6%となったとのことです。3分の1以上の独立社外取締役を選任している東証一部上場企業の割合も2016年以降毎年5ポイント程度増加してきていますので、もう少しこの傾向は継続するのではないかと思われます。
東証一部以外の市場における独立社外取締役を2名以上選任している会社の状況は以下の通りとのことです。
出典:「東証上場会社における独立取締役の選任状況、委員会の設置状況及び相談役・顧問等の開示状況」)
また、参考として「会社法上の機関設計の選択状況」が記載されており、増加している監査等委員設置会社の数は以下の通り、市場全体で前年比92社増加の890社となっています。
出典:「東証上場会社における独立取締役の選任状況、委員会の設置状況及び相談役・顧問等の開示状況」)
東証一部では前年比72社増加の512社で、割合でみると前年比2.6%増加となっており、2名以上の独立社外取締役を選任する東証一部の会社の割合が9割を超えたといっても、監査等委員設置会社が増えていることによる部分が大きいということなのではないかという気がします。