閉じる
閉じる
閉じる
  1. 18監査事務所が会計士資格を誤表記で有報訂正が必要らしい
  2. 内部統制新基準が2025年3月期より適用に(公開草案)
  3. デューデリジェンス(DD)費用の税務上の取り扱い
  4. テレワークの交通費、所得税の非課税限度額適用の有無は本来の勤務地で判断…
  5. プライム市場上場会社、88.1%が英文招集通知を提供
  6. タクシー、インボイス対応か否かは表示灯での表示を検討?
  7. 副業の事業所得該当判断の金額基準はパブコメ多数で見直し
  8. 総会資料の電子提供制度、発送物の主流はアクセス通知+議案等となりそう
  9. 押印後データ交付の場合、作成データのみの保存は不可(伝帳法)
  10. 四半期開示の議論再開(第1回DWG)
閉じる

出る杭はもっと出ろ!

消費税10%への経過措置の取扱いQ&Aが公表されました

国税庁より、「平成31年(2019年)10月1日以後に行われる資産の譲渡等に適用される消費税率等に関する経過措置の取扱いQ&A」が公表されました。

【基本的な考え方編】【具体的事例編】の二つで構成されており、【基本的な考え方編】が48問、【具体的事例編】が34問となっています。

前回消費税増税時に公表された「消費税率引上げに伴う資産の譲渡等の適用税率に関するQ&A 平成26年1月」は全10問で構成させていたことからするとかなりのボリュームアップしたといえます。ざっとみた感じですが、今回のQ&Aでは○○○の概要とか×××の意義という項目が増加している印象です。

消費税率改正施行日をまたぐ役務提供の前受金等に適用される消費税率”で取り上げた施行日を跨ぐ年間の役務契約の取扱いについては、【基本的な考え方編】問6及び【具体的事例編】問2で、税務通信で述べられていたのと同様の考え方が以下のように示されていました。

問6 平成31年9月1日に、同日から1年間の役務提供を行う契約を締結するとともに、1年分の対価を受領しています。この場合、消費税法の適用関係はどのようになりますか。
【答】
(中略)
 照会の役務提供契約が、その契約期間を1年間として料金を年額で定めており、その役務提供が年ごとに完了するものである場合には、その資産の譲渡等の時期は役務の全部を完了する日である平成32年8月31日となり、31年施行日(平成31年10月1日)以後に行う課税資産の譲渡等となりますから、原則として新税率(10%)が適用されます。
 ただし、1年分の対価を受領することとしており、中途解約時の未経過部分について返還の定めがない契約において、事業者が継続して1年分の対価を受領した時点の収益として計上している場合は、31年施行日の前日(平成31年9月30日)までに収益として計上したものについて旧税率(8%)を適用して差し支えありません。

 つまり、役務提供満了日が施行日後であれば10%が原則となり、途中解約時に返金不要な契約で継続して1年分の対価を受領時に収益計上している場合には、収益計上が施行日前であれば8%を適用することができるという取扱いになっています。
 
 ここに期間按分という考え方はなく、全額8%か全額10%の二択となっています。中途解約した場合に返金される場合はどうなるかですが、この点については【具体的事例編】問2で以下の通り述べられています。
 

問2 当社は、事務機器の保守サービスを行っており、保守サービスの契約期間を平成31年10月1日以後1年間とする保守契約を平成31年9月30日までに締結するとともに、同日までに一括して1年間の保守料金を前受けしています。
なお、この保守契約は、月額○○円として保守料金を定めており、中途解約があった場合には、未経過期間分の保守料金を返還することとしています。
この保守契約に係る取引について、1年間分を一括収受し、前受金として計上したものを毎月の役務提供の完了の都度、収益に計上することとしていますが、この場合において、31年施行日(平成31年10月1日)以後、毎月の役務提供の完了の都度、収益に計上する際の適用税率はどのようになりますか。
【答】
(中略)
照会の保守契約のような、契約期間は1年間であるものの、保守料金が月額で定められており、その役務提供が月々完了するものについては、この保守契約に基づき計上した前受金に係る資産の譲渡等の時期は、現実に毎月の役務提供が完了する時であり、その時の消費税率が適用されます。
したがって、31年施行日以後、役務提供が完了するものについては、新税率(10%)が適用されることとなります。

「照会の保守契約のような」となっているので、「月額○○円として保守料金を定めており、中途解約があった場合には、未経過期間分の保守料金を返還することとしてい」る保守契約が前提となっています。

したがって、年契約+途中解約返金なし+期間按分で収益計上の場合には上記取扱いは当てはまらないことになります。【具体的事例編】問7(短期前払費用として処理した場合の仕入税額控除)には、以下のようなQ&Aが掲載されています。

問7 当社(3月決算法人)は、平成31年3月に、平成31年4月から平成32年3月までの1年間の保守契約を締結し、同月中に1年分の保守料金を支払いました。
この保守料金は月極めであり、契約期間が31年施行日(平成31年10月1日)をまたいでいることから、適用税率は次のとおりとなっています。
・ 平成31年4月から9月分までの保守料金には旧税率(8%)
・ 平成31年10月から平成32年3月分までの保守料金には新税率(10%)
(以下省略)

上記は仕入側での話ですが、請求側は施行日前に施行日前後で税率を調整した請求を行い、仕入側は素直にそれを支払っているという前提となっています。消費税の引き上げは来年の10月1日以降が予定されているので、これから契約する年間保守については、来年10月以降分の消費税率を10%で調整した金額を請求すればよいという前提にたっているQ&Aになっており、そもそもあまり現実的ではないように感じます。

経過措置が設けられる可能性は低いということなので、せめて、何があっても2019年10月1日に消費税率が10%になるということを明らかにしてもらいたいところです。

関連記事

  1. 仮決算による法人税の中間納付の制限について-割に合うのか還付金?…

  2. フリーレントを按分計上している場合に適用される消費税率に要注意

  3. 消費税引き上げに伴う経過措置-工事の請負等(その1)

  4. 自動車保険の免責部分は消費税の課税対象?

  5. 子会社株式の購入手数料-消費税は共通対応でいいそうです

  6. 消費税法上の「事業」に規模は関係ない




カテゴリー

最近の記事

ブログ統計情報

  • 12,941,418 アクセス
ページ上部へ戻る