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有償新株予約権の実務報告-68社中66社が経過的取扱いを採用

経営財務3386号のニュースに2019年3月期第1四半期報告書において、実務対応報告第36号「従業員等に対して権利確定条件付き有償新株予約権を付与する取引に関する取扱い」を適用した旨を記載した会社が68社あり、そのうち66社が、適用日より前に付与したものについては経過的取扱いを採用していたという記事が掲載されていました。

実務対応報告36号では遡及適用が原則とされていますが、経過的取扱いが認められているのであれば、あえて遡及修正する会社はないだろうなと考えていたので、ほぼすべての会社が経過的取扱いを採用しているというのは驚くことではありませんが、残りの2社は遡及適用しているのかが気になったので確認してみることとしました。

確認したところ、68社中の2社に該当するのは株式会社ビーマップ(ジャスダック:東陽監査法人)と株式会社ソフトフロントホールディングス(ジャスダック:三優監査法人)のようです。

株式会社ビーマップでは、第1四半期報告書に以下のように記載がなされています。

(追加情報)
(中略) 
(従業員等に対して権利確定条件付き有償新株予約権を付与する取引に関する取扱い等の適用)
「従業員等に対して権利確定条件付き有償新株予約権を付与する取引に関する取扱い」(実務対応報告第36号 平成30年1月12日)等を平成30年4月1日以後適用し、従業員等に対して権利確定条件付き有償新株予約権を付与する取引については、「ストック・オプション等に関する会計基準」(企業会計基準第8号 平成17年12月27日)等に準拠した会計処理を行うことといたしました。

一方で、株式会社ソフトフロントホールディングスの第1四半期報告書には以下のように記載されています。

(追加情報)
(中略)
(従業員等に対して権利確定条件付き有償新株予約権を付与する取引に関する取扱い等の適用)
 「従業員等に対して権利確定条件付き有償新株予約権を付与する取引に関する取扱い」(実務対応報告第36号 平成30年1月12日)等を当第1四半期連結会計期間から適用しております。

両社とも、追加情報として実務対応報告第36号を適用している旨が掲載されており、会計方針の変更として記載されていません。これはどういうことかですが、実務対応報告36号は、”自社の役員や従業員等に「営業利益100億円達成」等の業績条件や勤務条件などの権利確定条件が付された有償新株予約権を付与する取引に関して,会計処理や開示の取扱いを定めたもの”のなので、有償新株予約権を発行しているものの、36号が対象とする範囲外のものであるというケースや、もともと実務対応報告36号のように処理を行っていたため追加情報として記載したということが考えられます。

株式会社ソフトフロントホールディングスについては、以前”18年4月以降に発行された報酬ではない有償ストック・オプションとは?”で取り上げましたが、18年4月以降に有償ストック・オプションを発行しており、当該ストック・オプションに関連する開示において「対象者に対する報酬としてではなく、各者の個別の投資判断に基づき引受けが行われるものであります。」と説明していますので、実務対応報告36号の対象となる有償新株予約権ではないということなのではないかと推測されます。

上記から実質的には経過的取扱いを全社が採用したといってよいのではないかと思います。

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