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英訳した有報を開示している16社

経営財務3401号のニュースに「金融庁 英訳した有報 16社が自社サイトで開示」という記事が掲載されていました。

そのようなものが開示されていたことに全く気づいていませんでしたが、これは2018年6月に取リまとめられた「ディスクロージャーワーキング・グループ報告」において、有報の英訳を行っている企業一覧の公表について提言されたことを受けたものとのことです。

2019年3月15日時点では以下の16社が掲載されています(社名、市場、業種、会計基準、外国人株主割合)。

  • 日清製粉グループ本社(東一)、食料品、日本基準、10~20%
  • 太陽ホールディングス(東一)、化学、日本基準、10~20%
  • 楽天(東一)、サービス業、IFRS、30%以上
  • 小松製作所(東一)、機械、米国基準、30%以上
  • クボタ(東一)、機械、IFRS、30%以上
  • TDK(東一)、電気機器、米国、30%以上
  • アドバンテスト(東一)、電気機器、IFRS、30%以上
  • 日産自動車(東一)、輸送用機器、日本基準、30%以上
  • エフ・シー・シー(東一)、輸送用機器、IFRS、20~30%
  • リコー(東一)、電気機器、IFRS、30%以上
  • Jトラスト(東二)、その他金融業、IFRS、30%以上
  • アコム(東一)、その他金融業、日本基準、10%未満
  • 松井証券(東一)、証券・商品先物取引業、日本基準、10%未満
  • トーセイ(東一)、不動産業、IFRS、30%以上
  • 日本電信電話(東一)、情報・通信業、IFRS、20~30%
  • NTTドコモ(東一)、情報・通信業、IFRS、10~20%


  • IFRS適用会社が9社、米国基準が2社、日本基準が5社となっていますが、日本基準を適用している会社以外は総じて外国人株主割合が高い傾向があることが窺えます。なお、NTTドコモの外国人株主比率は10%~20%ですが、NTTが大株主として66.7%を所有していることからすれば、かなり高い割合だと考えられます。

    ところで、上記の英訳有報の監査はどうなっているのかが気になったので確認してみました。すべてを確認してはいませんが、見た限りでは以下のようなケースが見られました。

    ①監査報告書は翻訳されておらず、表紙にDisclamer等が記載されているケース

    日清製粉グループ本社の英訳有報には冒頭に以下の様に記載されています。

    Disclaimer: This document is a translation of the Japanese original. The Japanese original has been disclosed in Japan in accordance with Japanese accounting standards and the Financial Instruments and Exchange Act. This document does not contain or constitute any guarantee and the Company will not compensate any losses and/or damage stemming from actions taken based on this document. In the case that there is any discrepancy between the Japanese original and this document, the Japanese original is assumed to be correct.

    ②監査報告書は翻訳されているものの、監査報告書が翻訳にすぎないことが明記されているケース

    小松製作所のケースでは表紙に翻訳に関する記載もありますが、監査報告書の冒頭に以下のように記載されています。

    表紙の記載

    (Translation)
    This document has been translated from the Japanese original for the convenience of overseas stakeholders. In the event of any discrepancy
    between this document and the Japanese original, the original shall prevail.

    監査報告書の冒頭

    [English Translation of the Independent Auditor’s Report Originally Issued in the Japanese Language]

    クボタ、日産自動車も監査報告書が翻訳に過ぎないことが明確に示されています。

    ③監査報告書まで英訳されているが、監査報告書の欄外に英訳は監査対象外である旨が記載されているケース

    楽天では監査報告書まで英訳されていますが、欄外に以下とおり記載されていました。

    *3. The English version of the consolidated financial statements consists of an English translation of theaudited Japanese consolidated financial statements. The actual text of the English translation of the consolidated financial statements was not covered by our audit. Consequently, for the auditor’s report of the English consolidated financial statements, the Japanese original is the official text, and the English version is a translation of that text.

    要は英文は監査対象外とされています。

    ④特に注釈なく監査報告書まで英訳されている

    太陽ホールディングスはこのケースに該当します。

    ⑤単に利便性のため翻訳してる旨を明示するとともに、ドル建ての金額への換算は監査対象である旨を記載(監査報告書にサインあり)

    TDKのIndependent Auditor’s Reportでは以下のように記載されており、KPMGのサインがさなれています。

    色々な方法はあるようですが、コストを抑えて、かつ、問題とならないようにするためには①~③の方法を選択することが考えられます。

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