閉じる
閉じる
閉じる
  1. テレワークの交通費、所得税の非課税限度額適用の有無は本来の勤務地で判断…
  2. プライム市場上場会社、88.1%が英文招集通知を提供
  3. タクシー、インボイス対応か否かは表示灯での表示を検討?
  4. 副業の事業所得該当判断の金額基準はパブコメ多数で見直し
  5. 総会資料の電子提供制度、発送物の主流はアクセス通知+議案等となりそう
  6. 押印後データ交付の場合、作成データのみの保存は不可(伝帳法)
  7. 四半期開示の議論再開(第1回DWG)
  8. 内部統制報告制度の見直しが審議、年内に方向性が出されるそうです。
  9. Iの部に添付される監査報告書のサインを電子署名にしたらどうなる
  10. 物価高騰による減額改訂に定期同額の弾力的運用なし
閉じる

出る杭はもっと出ろ!

子会社設立を代表取締役に一任することはできるのか?

2019年6月28日の午前8時50分に株式会社識学が「子会社の設立に関するお知らせ」という適時開示を行いました。

最近上場した会社が、場が開く前に開示していたのが目についたので、内容を確認すると、冒頭に以下の様に記載されていました。

当社は、2019 年6月 13 日の取締役会決議において代表取締役社長へ決定の権限を一任することとしておりました子会社の設立に関して、本日正式に子会社の設立を決定いたしましたので、下記のとおりお知らせいたします。

子会社の設立は取締役会で決議され、決議された日に適時開示されることが一般的ですが、同社のケースは取締役会決議で決定権限を代表取締役に一任していたという珍しいケースです。ためしに、「子会社の設立」と「一任」というキーワードで同様の事例を検索してみましたが、同じような例は見当たりませんでした。

ここで疑問は以下の2点です。
①そもそも会社法上、子会社設立を代表取締役に一任できるのか
②会社は、本日が正式決定日として適時開示しているが、適時開示すべきタイミングはいつが妥当なのか

まず、会社法上の問題はないのかという点ですが、会社法362条4項では「その他の重要な業務執行の決定を取締役に委任することができない」とされており、これに違反していないのかが問題となります。

この点、「取締役会付議事項の実務」(山田和彦ほか著、商事法務)67頁では、「新たに子会社の設立を検討していますが、取締役会の決議についてどのように考えればよいでしょうか。」という質問に対し、「原則として、取締役会の決議を要すると考えておくのが相当です。」と述べられています。詳細は割愛しますが、「基本的には、『その他の重要な業務執行の決定』(会社法362条4項柱書)に当たるように思われる」ためとされています。

支店の設置は取締役会の専決事項(会社法362条4項4号)とされていることから、子会社も重要性にかかわらず取締役会決議が必要と考えておくのが無難ではないかと思いますが、一方で、子会社はあくまで別法人であり、出資額を限度として有限責任を負うのみであるという点を踏まえ、出資額等の重要性が乏しい場合には、取締役会の決議は不要という考え方もありえます。上記の参考書籍でも「原則として」とされているのは、例外はありうるという前提だと考えられます。

同社の場合は、代表取締役が独断で判断している訳ではなく、前提として決定を代表取締役に一任する決議が採られていることから一定の監督は働いているとも考えられます。また、同社には大手弁護士事務所の弁護士が監査役に就任しているので、このようの取扱いは会社法上問題ないという確認はされていると思います。

なお、同社は2019年6月13日(上記で取締役会決議があったとされている日)に「臨時株主総会招集のための基準日設定に関するお知らせ」という適時開示を行っており、「コーポレートガバナンスの更なる強化を目的として、社外取締役 1 名の選任に関する議案を付議する予定」のために臨時株主総会を開催する旨を公表しており、このような会社がなぜ、子会社設立決定を臨時取締役会を開催して決議しなかったのだろうかという疑問はのこりますが、同社の場合は、子会社の資本金も2500万円と大きくなく、会社法上は問題ないということで整理できそうです。

次に、会社の適時開示資料では「会社設立の日程」が以下のように記載されています。
(1)取締役会決議日 2019年6月13日
(2)正式決定日 2019年6月28日
(3)設立年月日 2019年7月1日(予定)

土日を挟むので、7月1日に設立するのであれば、今日を正式決定日にしようということなのだと推測されますが、今日の午前8時20分までに(8時50分に開示しているので30分前の8時20分には提出していると思われる)なされた「正式決定」とは何かが気になります。

取締役会決議を経て開示されるようなものであっても、適時開示資料は事前に準備をすすめるのが普通だと思いますので、正式決定日を埋めればよいだけの状態で資料が事前に準備されていたとして、実務上、正式決定日のトリガーをどのように考えたのかを知りたいところです。

他社から子会社の代表をリクルートしてきているようですし(好意的にとらえると、就任の内諾が今日得られたという可能性はあります)、もっと前に決定されていたのではないだろうかという気はしますが、東証にこのような適時開示を提出しても通るのだなというのは参考になりました(事前相談しているかもしれませんが)。

それにしても、何故、書面決議くらいしなかったのだろう・・・。

関連記事

  1. 3月決算の単体計算書類で「企業結合に関する会計基準」の適用開始に…

  2. 非財務情報で初の虚偽認定-日本フォームサービス

  3. 遡及修正の原則的取扱いが実務上不可能な開示例ー平成24年3月期い…

  4. EY新日本有限責任監査法人は最近、会計監査人の交代に際し意見を述…

  5. 時価の算定に関する会計基準(その2)

  6. 2012年3月期の決算短信における自由記載方式採用は6社




カテゴリー

最近の記事

ブログ統計情報

  • 12,269,749 アクセス
ページ上部へ戻る