閉じる
閉じる
閉じる
  1. 18監査事務所が会計士資格を誤表記で有報訂正が必要らしい
  2. 内部統制新基準が2025年3月期より適用に(公開草案)
  3. デューデリジェンス(DD)費用の税務上の取り扱い
  4. テレワークの交通費、所得税の非課税限度額適用の有無は本来の勤務地で判断…
  5. プライム市場上場会社、88.1%が英文招集通知を提供
  6. タクシー、インボイス対応か否かは表示灯での表示を検討?
  7. 副業の事業所得該当判断の金額基準はパブコメ多数で見直し
  8. 総会資料の電子提供制度、発送物の主流はアクセス通知+議案等となりそう
  9. 押印後データ交付の場合、作成データのみの保存は不可(伝帳法)
  10. 四半期開示の議論再開(第1回DWG)
閉じる

出る杭はもっと出ろ!

書類送付を頼まれて書類を送付したら、顧客を奪うのに協力したと訴えられた事案

T&A master No.790に「税理士業務をめぐる最近の訴訟トラブル(2)」が掲載されていました。その一つに、顧問先を連れた開業独立に会計事務所職員が加担したのかが問題となった事案が取り上げられていました。

これは、独立予定の勤務税理士の指示により会計事務所職員が顧客の税務申告に係る資料の送付を行うなどして勤務税理士の不当な顧客勧誘行為に加担したとして、会計事務所が事務所職員に対して損害賠償を求めたという事件です。

そっち?という感じの事案ですが、この事案では、独立開業のため退職する勤務税理士の依頼により、同日退職予定であった会計士事務所の職員が、顧問先の従業員に確定申告に課係る書類を送付するように依頼されたので、依頼どおりに送付したとのことです。その後、この顧客先は、会計事務所との契約を解消し独立した税理士と顧問契約を締結したとされています。

独立に至る経緯はそれぞれなので、一概に独立した税理士が悪いとも言えませんが、関与した職員が訴えられるような状況を作った責任はある程度あるのではないかと思われます。

会計会社側の主張としては「退職後に本件顧問先との顧問契約の切り替えを容易にするため本件書類を持ち出す必要があったものの、退職直前に自ら送付を行うと不正な顧客奪取の事実が会計事務所に発覚する恐れがあるため、事務所職員に送付を依頼したと指摘した」とのことです。

そして、事務所職員の行為により顧客を奪われたことで、顧問料相当額の損害を被ったとして、労働契約上の債務不履行に基づきその損害を賠償する責任を負うと主張したとのことです。

この会計事務所職員も当該税理士と同日に退職予定であったというあたりが、確かに微妙な感じがするところではありますが、退職が決まっている従業員に顧客を奪われるような情報にアクセスする権利を与えているというあたりは脇が甘いといわれても仕方がない部分ではあります。

結論としては、東京地裁(平成30年8月9日判決・控訴あり)は、「本件税理士が事務所職員に対して本件書類送付を依頼したこと自体が主観的にも客観的にも顧客奪取行為に当たるということはできないと指摘したうえで、事務所職員による書類送付は労働契約上の義務違反に当たるとは認められないと判断した」とされてます。

理由としては、顧客自身が独立した税理士に税務を依頼したいと望んでいるので、在職中に当該税理士が不当な顧客勧誘行為を行っていたと認める根拠はないことに加え、本件書類は返却すべきものであったので、職員に返却を依頼したにすぎず、客観的にみて不当に顧客を奪取しようとして行ったものでないことが明らかであるためとされています。

退職日まで働いた挙げ句に訴えられたくはないですよね・・・気をつけましょう。

関連記事

  1. ソーラーシェアリングと税金

  2. 平成23 年度税制改正大綱-その2

  3. 法人税申告書勘定科目内訳明細書の作り方(その4)-固定資産

  4. 平成27年税制改正で予定される受取配当金の益金不算入額

  5. 改正電子帳簿保存法 電子取引に宥恕規定が設けられるようです

  6. 子会社から親会社の配当に対して源泉徴収が不要となる?




カテゴリー

最近の記事

ブログ統計情報

  • 12,946,910 アクセス
ページ上部へ戻る