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時価の算定に関する会計基準(その3)

時価の算定に関する会計基準(その2)の続きです。といっても、残りはそれほど多くはありません。

8.第三者から入手した相場の利用

上場株式のように簡単に時価を把握できるものがある一方で、市場で流通していたとしても、債券などについては証券会社など第三者から時価情報を入手する必要があるものがあります。

このように第三者から入手した時価情報はどのように取り扱われるのかですが、この点について適用指針18項では以下のように規定しています。

18. 取引相手の金融機関、ブローカー、情報ベンダー等、第三者から入手した相場価格が会計基準に従って算定されたものであると判断する場合には、当該価格を時価の算定に用いることができる。

判断が必要となるわけですが、どのように判断するのかについて適用指針43項で、いくつか例示の手続が示されています。

  1. 当該第三者から入手した価格と企業が計算した推定値とを比較し検討する。
  2. 他の第三者から会計基準に従って算定がなされていると期待される価格を入手できる場合、当該他の第三者から入手した価格と当該第三者から入手した価格とを比較し検討する。
  3. 当該第三者が時価を算定する過程で、会計基準に従った算定(インプットが算定日の市場の状況を表しているか、観察可能なものが優先して利用されているか、また、評価技法がそのインプットを十分に利用できるものであるかなど)がなされているかを確認する。
  4. 企業が保有しているかどうかにかかわらず、会計基準に従って算定されている類似銘柄(同じアセットクラスであり、かつ同格付銘柄など)の価格と比較する。
  5. 過去に会計基準に従って算定されていると確認した当該金融商品の価格の時系列推移の分析など商品の性質に合わせた分析を行う。

また、上記18項にかかわらず、一般事業会社の場合は、適用指針24項において、「第三者が客観的に信頼性のある者で企業集団等から独立した者であり、公表されているインプットの契約時からの推移と入手した相場価格との間に明らかな不整合はないと認められる場合で、かつ、レベル 2 の時価に属すると判断される場合には、次のデリバティブ取引については、当該第三者から入手した相場価格を時価とみなすことができる」とされています。

  1. インプットである金利がその全期間にわたって一般に公表されており観察可能である同一通貨の固定金利と変動金利を交換する金利スワップ(いわゆるプレイン・バニラ・スワップ)
  2. インプットである所定の通貨の先物為替相場がその全期間にわたって一般に公表されており観察可能である為替予約又は通貨スワップ

ただし、オプションを含むような取引については、利用されるボラティリティの種類によってはレベル 3 の時価に分類されると考えられるため、この規定の対象外とされています。

9.投資信託の時価に関する経過措置

投資信託の時価の算定については、関係者との協議等に一定の期間が必要と考えられるとして、基準公表後概ね1年をかけて検討が行われることとなっています。その間の取扱いについては、改正前の「金融商品会計に関する実務指針」第 62 項の取扱いを踏襲し、投資信託の時価は、取引所の終値若しくは気配値又は業界団体が公表する基準価格が存在する場合には当該価格とし、当該価格が存在しない場合には投資信託委託会社が公表する基準価格、ブローカーから入手する評価価格又は情報ベンダーから入手する評価価格とすることができるとされています(適用指針26項)。

なお、貸借対照表に持分相当額を純額で計上する組合等への出資(金融商品実務指針第 132 項及び第 308 項)の時価の注記についても、一定の検討を要するため投資信託に関する取扱いを改正する際に取扱いを明らかにすることとされ、その間は時価の注記は不要とされています(適用指針27項)。

これで終わります。

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