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デロイトトーマツコンサルティングで異常な退職引き留め?

半年以上前に2019年4月号のFACTAに掲載されていた”デロイト「漏洩憂い」首脳退職”という記事を取り上げましたが、その続報といえる「デロイトトーマツ系コンサル異常な退職引き留めで軋轢」という記事が2019年12月号に掲載されていました。

この記事によるとデロイトトーマツコンサルティングでは通常約2500人の従業員のうち13%程度(300人)が毎年入れ替わるとされています。コンサルティング業界は人の出入りが激しいので、これは特にどうということはありませんが、”「今年はそれに250人程度上乗せして500人以上が退職する見通し」と、同法人関係者はいう”と述べられています。

専門性の高い業種の場合、通常の退職はできない人が辞めていくということが多いですが、大量に退職者が発生するようなケースでは、嫌気がさした転職が容易な人から辞めていくということも多く、そのような場合に退職者を埋め合わせる優秀な人材を獲得するのは容易ではないことが一般的だと思います。

特にコンサルティング業界は、1人月いくらというような感じの料金体系も多く、コンサルタントが減少すれば売上も当然減少することとなります。上記の記事よると、関係者の話として”「デロイトのコンサルティング法人の年間売上高は600億程度。2019年6月~8月の第1四半期だけで50億円近くは売上高が減少した」と話す。”とされています。

大量退職が生じている原因については、以前取り上げた記事に記載されていたとおり、2018年9月付で地域統括会社として「デロイトアジアパシフィック(AP)」が設立され、日本法人の人事や戦略が当該統括会社に事実上支配されることとなったことに端を発しているとのことです。

「APの幹部に中国共産党幹部の関係者がいることから、日本のデロイトがかかわる情報が中国に漏洩する可能性があるのではないかと国会で指摘された」とされ、デロイトの問題を契機に「防衛省は装備品や調査研究の入札に関して、企業の資本関係や担当者の国籍・経歴などの報告を義務付けることを決めたほか、保護すべき情報の暗号化やパスワード管理の強化にも乗り出した」とされています。

日本法人の立場としては、グループに加盟しているものの独立した法人であるというものですが、”コンサルティング法人内部では「こんな体制では責任をもって仕事ができない」”として退職者が増加しているそうです。

退職者が増加している状況に対して、同法人では”「プロジェクトオメガ」と呼ばれる、役員や社員の引き留めを行うチームプロジェクトが進められている”とのことです。記事のタイトルに「異常な退職引き留めで軋轢」とあるので、なんとなく後ろ暗いプロジェクトのように感じられますが、会社として大量退職を何とか食い止めるため活動を行うというのはいたって自然なことだと考えられます。

しかしながら、記事によると、退職を申し出ると会社貸与の携帯のみならず、「個人所有の携帯も出して欲しいと迫られる」とのことで、そのような状況がさらに若手の嫌気を誘い退職者増加の負の連鎖に突入していると述べられています。

一時期監査法人でも退職を申し出ると、過去のメールなどが厳しくチェックされるというような噂がありましたが、さすがに個人の携帯を見せろという話は聞いたことはありません。

個人の携帯を差し出させる目的については記載されていませんでしたが、従業員から情報漏洩していないことを確認するということであるとすると、本当に何かを企むのであれば、それ用に携帯をもう一つ準備するくらいことはするでしょうから、あまり意味はないのではないかと思われます。

この記事によると、社内規程に基づき元パートナーに対して社員3名を引き抜いたことについて1億3000万円の損害賠償を求めているとされ、既に退職した数名のパートナーは”「こんな規程があるとは知らなかった」と言って、退職時の誓約書にサインせず、退職金受け取りを放棄して、社を去った”とのことです。

そうはいってもデロイトなのでなくなることはないと思いますが、この記事が事実だとするとしばらく尾を引きそうです。

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