2020年3月に入り8社がIPO承認を取り消し
つい数ヶ月前までは米中関係の不透明感によって株式市場が翻弄されていましたが、今年に入ってからは新型コロナウイルスの影響で、「史上最大の」というような変動が繰り返されています。
このようなタイミングでIPOを計画していた会社には気の毒ですが、”ウイングアーク1st(株)が2年連続で上場申請を取消”でもとりあげたように、市場環境を踏まえて上場申請を取り下げる会社が結構多くでてきています。
日本取引所のサイトで3月に入り新規上場承認が取り消された会社は以下の8社となっています。
1.ウイングアーク1st(株)(本則市場(市場区分未定)) 2020年3月10日取消
2.(株)ペルセウスプロテオミクス(マザーズ) 2020年3月12日取消
3.(株)Fast Fitness Japan(マザース) 2020年3月13日取消
4.バリオセキュア(株)(2部)2020年3月18日取消
5.(株)ロコガイド(マザーズ)2020年3月18日取消
6.(株)アルマード(マザーズ)2020年3月18日取消
7.(株)ステムセル研究所(マザーズ)2020年3月23日取消
8.(株)コパ・コーポレーション(マザーズ)2020年3月24日取消
上場後の株価を気にせず、資金調達面のみで考えるのであれば、ブックビルディングの結果、上限で公募が実現できればよいということになるのかもしれませんが(そもそものベースが低くなっているという可能性はあります)、上場後の株価を気にしないというのは通常なかなか難しいと考えられます。
先週(3月16日)以降上場した会社の公募価格、初値、現在(3月25日)の終値を確認してみたところ以下のようになっていました。
1.ミクリード(マザーズ)3月16日上場
公募価格:890円(仮条件上限)
初値:818円
現在株価:570円
2.ミアヘルサ(JQスタンダード) 3月17日上場
公募価格:2330円(仮条件上限)
初値:1748円
現在株価:1250円
3.リビングプラットフォーム(マザーズ)3月17日上場
公募価格:3900円(仮条件上限)
初値:3550円
現在株価:2394円
4.ドラフト(マザーズ)3月17日上場
公募価格:1580円(仮条件上限)
初値:1221円
現在株価:931円
5.関通(マザーズ)3月19日上場
公募価格:490円(仮条件上限)
初値:1032円
現在株価:1450円
6.日本インシュレーション 3月19日上場
公募価格:490円(仮条件上限)
初値:1032円
現在株価:1450円
7.ゼネテック(JQスタンダード)3月19日上場
公募価格:1700円(仮条件上限)
初値:1620円
現在株価:1513円
8.リバーホールディングス(第二部)3月24日上場
公募価格:960円(仮条件上限)
初値:720円
現在株価:603円
9. ヴィス(マザーズ)3月25日
公募価格:820円(仮条件下限)
初値:754円
現在株価:714円
結果だけでみると1勝8敗で、8敗は一度も公募価格を上回っていないという状況となっっています。本日(3月25日)は、日経平均が大きく上昇しましたが、本日上場したヴィスの高値は815円と公募価格に近い水準ではあるものの超えてはいません。
このような状況を考慮すれば、上場申請を取り下げる会社が多くなるというのも仕方のないことなのでしょう。