プロ野球開幕と年間シートの損金算入時期
開幕が延期されていたプロ野球が6月19日から無観客で開幕しましたが、プロ野球の年間シートを法人等で購入している場合の損金算入時期について、税務通信3610号で取り上げられていました。
例年は、基本的に中途解約はできないものであることから3月開幕戦と同時期に損金算入(損金不算入)することとされていたとのことですが、今年は費用の支出目的によって損金算入(損金不算入)する時期が異なるとされています。
すなわち、プロ野球の年間シート購入が福利厚生目的なのか接待供応目的なのかによって
、損金算入(不算入)とされる時期が異なるとのことです。
福利厚生目的であれば、購入の日から1年以内に役務影響が行われる事から、短期前払費用(法基通2-2-14)の適用で2020年3月期の損金算入とすることができる一方、接待供応目的であれば、接待供応等のあった日の事業年度に損金不算入となるとされています。
そして、接待供応目的の場合は、「現時点で観客動員での試合観戦がないことを踏まえると。3月決算法人の場合、2021年3月までに観戦機会があれば、2021年3月期に損金不算入となるとされています。
なお、接待供応等の計上基準となる日は、観客を入れて開催される日となるとのことですので、無観客試合で行われている限りは3月決算会社と同様の取扱いとなるとのことです。観客が動員されるようになるのは順調にいっても7月下旬くらいからのようですので、3月決算に限らず4月~6月決算会社も同様の取扱いとなるようです。
野球に限らずサッカーなど他のスポーツでも年間シートを福利厚生や接待供応目的が購入している場合にも同様の取扱いになると考えられます。