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出る杭はもっと出ろ!

コロナ関連のGC注記を5社が記載(経営財務誌調べ)

三菱自動車、日産自動車、キヤノン、JAL、ANAなど2020年1Qの業績が大幅な赤字と連日報道されていますが、経営財務誌が2019年4月~2020年3月期の有価証券報告書(7月20日時点提出分3,428社対象)を調査した結果、GC注記が開示されていたのは38社であったとのことです。

前期は34社ですので、20年3月期の有価証券報告書までにおいては、新型コロナウイルス関連で大きくGC注記が増えているという状況にはないようです。

38社中36社が、売上高の著しい減少や債務超過などの「財務指標関係」に関するもので、この傾向は例年通りとされています。

GC注記を記載した38社のうち、新型コロナウイルス感染拡大がGC注記の一因となった旨を記載していたのは以下の5社であったとのことです。なお、有価証券報告書の提出期限が一律9月まで延期されたため、今後提出される有報にGC注記が記載されるていることも考えられるとされています。

  1. 海帆(東マ、小売業、東海会計社)
  2. ゼネラル・オイスター(東マ、小売業、東邦)
  3. 田谷(東一、サービス業、普賢)
  4. 中村超硬(東マ、機械、新月)
  5. サマンサタバサジャパンリミテッド(東マ、その他製品、東邦)

1.海帆(東マ、小売業、東海会計社)

同社は”なつかし処昭和食堂”など居酒屋(東海地方が多いようです)を展開している会社です。業種から苦しい状況にあるのは容易に想像できます。

同社の注記の一部を記載すると以下の様になっています。

(継続企業の前提に関する事項)
 当社は、2019年4月1日から2020年3月31日までの事業年度におきまして純損失695,604千円を計上しており、2020年3月31日現在におきましても貸借対照表上314,791千円の債務超過となっております。
 また新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、当社としても、政府及び自治体からの各種要請等を受けて、一部店舗の臨時休業や営業時間短縮を実施しております。この結果、2020年3月以降、当社店舗への来店客数は顕著に減少したため、売上高が著しく減少し、資金繰りに懸念が生じております。
 これらにより当社には継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせる事象または状況が存在しております。

売上は前事業年と比較して約2割の減少となっており、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けたことが窺えますが、前事業年度も営業損失となっており、元々苦しい状況にあった中で追い打ちを受けたという状況のようです。

2.ゼネラル・オイスター(東マ、小売業、東邦)

同社は社名にオイスターとあるように、牡蠣を主体とするレストラン(オイスターバー)を経営する店舗事業と、安全性の高い牡蠣の生産研究、産地の開拓、牡蠣の安定供給を目的として、牡蠣の卸売事業を展開している会社です。

同社の注記の一部を記載すると以下の様になっています。

(継続企業の前提に関する事項)
 当社グループは、前連結会計年度において営業損失21,196千円、経常損失18,441千円、親会社株主に帰属する当期純損失269,680千円を計上し、当連結会計年度においても営業損失146,122千円、経常損失157,131千円、親会社株主に帰属する当期純損失106,971千円を計上しております。
 また、新型コロナウイルス感染拡大防止のための政府の緊急事態宣言により、臨時休業しておりましたが、6月3日より全店営業を再開しております。しかし、時短営業の継続による景況などにより、今後資金繰りにも影響が出てくる見込みです。
 これらの状況により、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。

 
同社は過去5連結会計年度において、すべて経常損失を計上しており、前々事業年度は経常損失173,752千円、3事業年度前は経常損失475,079千円となっており、むしろ20年3月期の方が経常損失が小さいという状況ですので、やはり元々苦しい状況下で新型コロナウイルス感染症拡大により追加でダメージを受けたという状況のようです。

3.田谷(東一、サービス業、普賢)

同社は美容室を展開している会社で、業種的には新型コロナウイルス感染拡大の影響を強く受けていることが想像できます。

同社の注記の一部を記載すると以下の様になっています。

(継続企業の前提に関する事項)
 当社は、当事業年度において、2019年10月からの消費増税の影響に加え、第4四半期以降の新型コロナウイルス感染拡大による消費減退や、外出自粛等の影響に伴う入客数の減少(既存店前期比△8.2%)により、売上高が著しく減少し、営業損失および経常損失を計上しております。
 また、継続して当期純損失を計上したことにより、2016年12月に取引金融機関と締結したシンジケートローン契約について財務制限条項に抵触しており、当該財務制限条項が適用された場合、資金繰りに与える影響が生じ、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。

今となっては、前期消費税増税の影響があったということすら忘れてしまいそうな状況ですが、同社の場合は、消費税増税の影響に加え、それが回復する前に新型コロナウイルス感染症拡大でダメージを被ったということのようです。

ただし、同社も前事業年度は10,745千円の経常利益となっていますが、それ以前の3事業年度はいずれも経常損失(3事業年度前:△57,458千円、4事業年度前:△31,738千円、5事業年度前:△228,703千円)となっています。前事業年度は黒字化に成功しているので、立ち直りはじめた矢先に増税のみならず、新型コロナの影響を被ってしまったというように見えます。

4.中村超硬(東マ、機械、新月)

同社は、電子材料スライス周辺関連、特殊精密機器関連、化学繊維用紡糸ノズル関連の開発・製造・販売などを行っている会社です。

同社の注記の一部を記載すると以下の様になっています。

(継続企業の前提に関する事項)
当社グループは、太陽光向けシリコンウエハ製造に使用されるダイヤモンドワイヤを販売する電子材料スライス周辺事業において、ダイヤモンドワイヤの市場価格が1年で約7割下落するなど、太陽光関連の市場環境が大きく変化した影響を受け、2019年3月期において債務超過となりました。これに対し、当社グループは、ダイヤモンドワイヤ生産事業から撤退するとともに主力工場であった和泉工場を売却する等の構造改革ならびに新株予約権の発行による資金調達及び資本増強に取り組んでまいりました。これらの結果、当連結会計年度末において、債務超過については解消いたしております。
しかしながら、当社グループの有利子負債は4,590百万円と手元流動性に比し高水準にあることに加え、構造改革の一環として取り組んだ江蘇三超社へのダイヤモンドワイヤ生産設備等の譲渡については、新型コロナウイルスの影響により当連結会計年度末時点で未完了の状態にあり、今後の見通しについても、中国への渡航が制限されている現時点においては不確定であります。これらの状況により、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象または状況が存在しております。

同社の場合は、新型コロナの影響というよりは、「ダイヤモンドワイヤの市場価格」が大きく下落してしまったということが主な要因とされていますが、財政状態の改善に向けた取組の一つとして計画していた中国企業への「ダイヤモンドワイヤ生産設備等の譲渡」が新型コロナウイルスの影響で遅延しており、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象または状況が解消されていないという状況にあるということのようです。

5.サマンサタバサジャパンリミテッド(東マ、その他製品、東邦)

同社は、バッグ、ジュエリー及びアパレルの企画・製造・販売を主とするファッションブランドビジネスを展開しています。ブランドとしての最近の位置づけはよくわかりませんが、サマンサ○○というショップはショッピングモールやデパート内で比較的目にしているような気はします。

直近5年の売上等の状況を確認してみたところ以下の様になっていました。

2016年2月期 連結売上高:43,309百万円 経常利益: 1,955百万円
2017年2月期 連結売上高:35,446百万円 経常利益: 455百万円
2018年2月期 連結売上高:32,158百万円 経常利益:△1,736百万円
2019年2月期 連結売上高:27,744百万円 経常利益: 619百万円
2020年2月期 連結売上高:23,550百万円 経常利益:△1,225百万円

売上の推移をみるときれいに右肩下がりとなってしまっています。最近、中間価格帯のブランドが苦戦しているという話をよく耳にしますが、まさにその典型例なのかもしれません。

同社の注記の一部を記載すると以下の様になっています。

(継続企業の前提に関する事項)
 当社グループは当連結会計年度末において有利子負債額が7,810百万円(短期借入金3,933百万円、1年内返済予定長期借入金3,207百万円、長期借入金669百万円)と手元流動性1,660百万円(現金及び預金)に比し高水準な状況にある一方、当連結会計年度に1,184百万円の営業損失を計上しました。
 また、新型コロナウイルス感染拡大防止のための政府の緊急事態宣言の期間中、国内の大部分の店舗で臨時休業しており、今後資金繰りにも影響が出てくる見込みです。
 このような状況により、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事象または状況が存在しています。

 
2020年2月期の有価証券報告書が提出されたのは、2020年7月13日で、1Q(2020年3月~5月)の短信はまだ公表されていないようです。同社のケースも新型コロナというよりも、ブランド自体の立ち位置の影響が大きいように思いますが、新型コロナの影響で言えば3月~5月の方が影響は大きいと考えられるため「今後資金繰りにも影響が出てくる見込み」がどのようになるのか注視したいと思います。

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