バーチャルオンリー型株主総会の特例等が国会へ
1ヶ月ほど前に”2021年6月開催よりバーチャルオンリー株主総会が可能に“で今年6月の総会からバーチャルオンリー型の株主総会の開催が可能となりそうだという内容を記載しましたが、2月5日に閣議決定された「産業競争力強化法等の一部を改正する法律案」が、現在開催中の第204回通常国会に提出されたとのことです(経営財務3499号「バーチャルオンリー株主総会の特例等を国会提出」)。
法案の主な内容は、前回も触れましたが以下の三点とされています。なお、本法案は公布後即日施行が見込まれているため、2021年6月総会からバーチャルオンリー株主総会を実施できる見込とのことです。
- 上場会社は経済産業大臣および法務大臣の確認を受けた場合、「株主総会を場所の定めのない株主総会」とすることができる旨を定款に定めることができる
- 1.の定めのある上場会社については、株主総会の「場所」を定めなければならないとする会社法の規定を「株主総会を場所の定めのない株主総会とする旨」と読み替えること等により、バーチャルオンリー株主総会が開催可能
- 新型コロナウイルス感染症拡大の影響を踏まえ、施行後2年間は上記1.の確認を受けた上場会社の定款には1.の定めがあるものとみなすことが可能
新型コロナウイルスの感染者数が下げ止まっているとはいえ、緊急事態宣言も解除されている状態が今後も継続した場合に、今年6月の総会からバーチャルオンリー株主総会の開催が可能となったからといって、実際にそれを採用する事例がでてくるかはわかりませんが、選択肢は一つ広がりそうです。
株主の立場からすれば、バーチャルでも株主総会に参加できるというのはありがたいと思いますが、バーチャルでしか株主総会に参加できないというのは、特にバーチャルのみにする理由が乏しい場合には納得し難いという面もあると思います。
したがって、当面はハイブリット型の株主総会が徐々に増加していき、その中で生じた問題がフォローされていく形になるのではないかと個人的には考えています。