Iの部に添付される監査報告書のサインを電子署名にしたらどうなる
監査報告書への押印が必須でなくなったことにより、最近のIの部に添付されている監査報告書は直筆の署名のみというケースが多くなっています。
直筆の署名のみが主流となりつつありますが、一方で、監査報告書の署名の電子化も認められており、大手監査法人は電子署名化を推進しているようで、電子署名が増加しているようです。
そうすると、Iの部に添付される監査報告書が電子署名により署名されているというケースも想定されますが、この場合、どのような監査報告書がIの部に添付されるのかが気になり、事例を探してみました。
今年の新規上場会社のIの部をざっと確認していったところ、2022年4月12日にグロース市場に上場したカークレイス株式会社の監査報告書に電子署名が行われており、Iの部には以下のような監査報告書が添付されていました。
単に慣れの問題なのかもしれませんが、個人的な感想としては、あまり格好が良いものではないと感じました。自分が被監査会社の担当であれば、IPO時の監査報告書くらいは直筆のサインの入ったものをお願いすると思います。
ちなみに、東証の新規上場申請に係る提出書類等については、監査報告書の電子署名が認められたことにともない、現状では「監査報告書、四半期レビュー報告書等の原本は、別途、書面(1部)又は電子署名付きの電子データでご提出ください」となっています。
IPO時の監査報告書の署名の電子化が、今後どれくらいすすむのか見ていきたいと思います。