所得金額1億円超の人数は5年で60%増加
5月31日に国税庁が公表した「平成28年分の所得税等、消費税及び贈与税の確定申告状況等」によると、申告納税額は前年比3.1%増の3兆621億円で、平成10年分以降で最高額となっています。
このうち所得金額1億円超の申告を行ったのは2万383人で、5年前の平成23年分では1万2,750人であったので、5年前と比較すると約60%増と大幅に増加しています。あるところにはあるということですが、上場企業の役員で役員報酬が1億円以上の人は何人くらいいるのかが気になったので、確認してみると東洋経済オンラインの2016年6月の記事で503人とされていました。所得ベースでは1億円を下回る人も含めて503人なので、所得金額1億円超の5%程度に過ぎないということになります。
上記の記事に記載されたリストに因れば、報酬総額が10億円以上の役員は6名、報酬額トップ50の50番目の方の報酬は2億8千万円とされています。国税庁が公表している民間給与実態統計調査によると、平成27年度の年間平均の給与所得者数は5669万人とされていますが、ここでトップの方を目指しても、悲しいかな所得金額1億円超の人数にカウントされる可能は限りなく低いというのが現実です。
もっとも、上場企業の役員よりも優良非上場企業のオーナーの方が高い報酬を得ているというケースも比較的多くあるので、会社役員という括りでいえば、もう少し人数は増えると思われますが、このような会社の場合、オーナー一族でない者が役員となっても同じような報酬を得られることはまずありません。
アメリカ企業のCEOのような法外な報酬である必要はありませんが、1億円超の所得申告者が約2万人であれば、上場企業の役員にその10%程度が含まれていて欲しいと思います。少し前にピケティのr>gが話題になりましたが、サラリーマンにも多少は夢を与えて欲しいですね。
そんなこと言っていないで起業しないからだめなのかもしれませんが・・・