トーマツの「トーマツイノベーション&デリバリーセンター」が開所って何するところ?
経営財務3338号のニュースで有限責任監査法人トーマツが監査業務集中化拠点として幕張新都心に「トーマツイノベーション&デリバリーセンター」を開所したという記事が掲載されていました。
このセンターは、「監査業務上の基礎的な入力やチェックといった事務作業を行う拠点」となるそうで、「例えば、有価証券報告書と会社の内部資料等との照合、証憑書類の確認など、従来会計士が行ってきた作業を集約し、会計士がより高度な監査業務を実践できるような体制にする。作業のデジタル化、ペーパレス化も進めていく」とされています。
少し前にあずさ監査法人が、職員の長時間労働を是正するとして新たな業務の受託を1年間停止すると公表したのは記憶に新しいところですが、トーマツの取組も働き方改革の一環とされています。
上記の拠点では、会計士などの資格を持たない近隣の住民を採用し、センターに常駐している会計士から指導確認を受けながら仕事を進めるとのことです。
随分前から監査の現場にも非資格保有者を連れてきて証憑突合なんかをさせていることは比較的多く行われていたことだと思われますが、これをもっと効率的に行おうということのようです。
会計士でなくてもできることを非資格保有者に行わせることで会計士の業務時間が削減されて監査報酬が安くなるならそれもよいかなという反面、質がきちんと担保されるのだろうかという点はやはり気になります。
また、証憑書類の確認なども行うとされていますが、作業のデジタル化、ペーパレス化もすすめるとされているので基本的には電子的なデータでの確認ですむようになるのかもしれません。
そうなると、上場会社でも電子帳簿保存方におけるスキャナ保存を行い易くなるのではないかと思われます。
経営財務の記事には同センターの様子と思われる写真が掲載されており、「センター内ではパソコンとタブレットを使ってチェックする。データを持ち出せないよう情報漏洩対策も施す」と記載されています。
単なるイメージ図なのかもしれませんが、結構近くで複数の作業者が作業している割にパソコンの画面に覗き見防止のフィルターが張っていないように見えるのは、気になりました。
最後に、この仕事、たぶん面白くはないですよね・・・