申告期限の延長にあたり3ヶ月以内に定時株主総会が招集されない状況にあることとを確認するために資料とは?
前回に引き続き、平成29年11月24日に国税庁の法人税関係の質疑応答事例に追加された項目の中からの内容となりますが、株主との対話期間を確保するため決算日後3ヶ月を超えて定時株主総会を開催する場合に、確定申告書の申告期限の延長を申請するために必要な確認資料は何かとりあげられている質疑応答が追加されていますので取り上げることとしました。
照会要旨のポイント部分を引用すると以下のように記載されています。
定款において定時株主総会の招集時期の定めがない場合であっても、定時株主総会の議決権の基準日の定めがあり、コーポレートガバナンス報告書により定時株主総会の招集時期が毎年8月であることが確認できる場合には、定款の定めにより各事業年度終了の日の翌日から3カ月以内に定時株主総会が招集されない常況にあると認められ、確定申告書の提出期限について、申請により3カ月の延長が認められるでしょうか。
会社名は当然記載されていませんが、それほど事例が多くない状況ですので、照会要旨に記載されてるその他の事項から、以前”株主総会開催を決算日後4ヵ月以内とする事例がでてきました”で東和フードサービス株式会社からの照会事項だと推測されます。
上記に対する回答は「照会者の意見のとおり認められます。」となっています。上記ではコーポレートガバナンス報告書が確認資料になるかというものですが、回答要旨では「例えば、次のような資料により毎年の定時株主総会の招集時期が明らかとなる場合で、各事業年度終了の日の翌日から3カ月以内に定時株主総会が招集されない常況にあることが確認できるときには、定款の定めにより各事業年度終了の日の翌日から3カ月以内に定時株主総会が招集されない常況にあると認められることから、確定申告書の提出期限の延長の特例制度の適用を受けることができます。」として三つの資料が例示されています。
- 株主総会における定款変更議案の「提案の理由」として事業年度終了の日の翌日から3カ月を経過する日後の特定の月に定時株主総会を招集することが記載された株主総会参考書類
- 「集中日を回避した株主総会の設定」欄に事業年度終了の日の翌日から3カ月を経過する日後の特定の月に定時株主総会を招集することが記載されたコーポレートガバナンス報告書
- その他変更後の定時総会の招集月が明らかとなる書類(招集時期の変更を決議した取締役会の議事録など)
例示の順番からすると、1が想定されていたのかなという気はしますが、この照会者のようにコーポレートガバナンス報告書でもよいということが明らかとなっています(もっとも、この質問者自身、この回答を得て株主総会参考書類を添付したのではないかという気もします)。
なお、申請にあたっては、上記のような書類と定款の写しも必要とされています。株主総会の開催時期を遅らせるということが今後どれだけ定着するのかはわかりませんが、上記からすると申告期限延長の申請は特に大変ではなさそうです。