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有償新株予約権-3月30日に内容確定は10社

2018年は3月31日が土曜日のため、3月決算会社の場合、本日が今期の最終営業日というケースが多いのではないかと思いますが、適時開示情報を確認していたところ、有償ストック・オプション、あるいは、有償新株予約権に関する適時開示が目につきました。

2018年1月12日に実務対応報告第36号「従業員等に対して権利確定条件付き有償新株予約権を付与する取引に関する取扱い」が公表され、2018年4月1日以後に付与される有償新株予約権から同報告が適用開始となることから、駆け込みでどれくらいの発行があるのかと気になっていましたが、3月30日付けで発行内容が確定した旨を適時開示した会社は9件となりました。

さらに何日か遡って適時開示を確認してみると、有償新株予約権(有償ストック・オプション)の発行内容が確定したという適時開示を行っている会社の数は以下のように推移していました。ただし、厳密にはこのうち2社は開示書類のタイトルが「業績連動型新株予約権」となっています。

2018年3月30日(金) 10社(17時時点)
2018年3月29日(木) 1社
2018年3月27日(火) 3社
2018年3月26日(月) 3社
2018年3月23日(金) 3社
2018年3月22日(木) 3社

2017年の年度末直近の状況を確認してみると、募集新株予約権の発行内容が確定した旨の適時開示を行っていた会社の社数は以下の通りでした。

2017年3月31日(金) 1社
2017年3月30日(木) 2社
2017年3月29日(水) 1社
2017年3月24日(金) 1社
2017年3月22日(水) 1社

昨年の実績と比較すると、全般的に年度末直前の発行内容確定件数は増加しており、駆け込み発行が多くなっているように見受けられます。特に2018年3月30日の9社という数値は、かなりの増加といえそうです。

なお、2017年も2018年もこの時期に有償新株予約権についての適時開示を行っていたのは、株式会社ブイキューブ1社(2017年3月29日および2018年3月27日)だけでした。

有償新株予約権(有償・ストック・オプション)については、上場会社の300社以上が導入しているとされており、数多くの反対コメントが寄せられたことから、企業側は影響が大きい改正だと認識していることが窺えますが、どのくらいの規模で発行しているのかを本日適時開示を行った9社で確認してみたところ、以下のようになっていました。

1.株式会社東京ベース(東証一部、トーマツ)
 取締役3名 6,600個(660,000株) 
 全部行使時の希薄化割合 1.9%
 新株予約権1個あたりの発行価格 6,100円
 総額 40,260,000円
 権利行使価格 1,219円
 権利行使期間 平成31年6月1日から平成33年3月29日
 
2.株式会社セレス(東証一部、トーマツ)
 取締役4名 1,550個(155,000株)
 従業員17名 1,000個(100,000株)
 全部行使時の希薄化割合 2.3%
 新株予約権1個あたりの発行価格 1,300円
 総額 3,315,000円
 権利行使価格 1,787円
 権利行使期間 平成33年4月1日から平成40年3月29日
 
3.株式会社ロコンド(マザーズ、トーマツ)
 取締役3名 2,600個(260,000株)
 従業員54名 1,380個(138,000株)
 全部行使時の希薄化割合 3.93%
 新株予約権1個あたりの発行価格 731円
 総額 2,909,380円
 権利行使価格 1,113円
 権利行使期間 平成31年6月1日から平成40年5月31日

4.株式会社パシフィックネット(東証二部、清陽)
 取締役6名 4,100個(410,000株)
 従業員15名 805個( 80,500株)
 子会社取締役3名 210個(21,000株)
 子会社従業員1名 45個( 4,500株)
 全部行使時の希薄化割合 9.97%
 新株予約権1個あたりの発行価格 200円
 総額 1,032,000円
 権利行使価格 924円
 権利行使期間 平成32年9月1日から平成40年3月29日

5. 株式会社ベクトル(東証一部、東陽)
 取締役4名 33,500個(3,350,000株)
 子会社取締役1名 2,000個(200,000株)
 従業員及び子会社従業員1名 500個(50,000株)
 全部行使時の希薄化割合 7.8%
 新株予約権1個あたりの発行価格 4,368円
 総額 157,248,000円
 権利行使価格 2,343円
 権利行使期間 平成32年6月1日から平成34年12月31日

6. 株式会社ジェネレーションパス(マザーズ、あずさ)
 取締役4名 1,064個(106,400株)
 監査役3名  40個 ( 4,000株)
 従業員62名  582個 (58,200株)
 子会社取締役4名 222個(22,200株)
 子会社従業員8名 29個 (2,900株)
 子会社取締役就任予定者1名 50個(50,000株)
 全部行使時の希薄化割合 2.43%
 新株予約権1個あたりの発行価格 1円
 総額 1,987円
 権利行使価格 576円(※)
 権利行使期間 平成33年2月1日から平成35年1月31日
 
(※)同社が2018年3月13日に開示している「募集新株予約権(業績連動新株予約権)の発行に関するお知らせ」では、「2.新株予約権と引換えに払い込む金銭」において、「・・・本新株予約権の発行要領に定められた条件(行使価額1円/株、満期までの期間4.89年、行使条件)に基づいて・・・」と記載されていますが、新株予約権の行使に際して出資される財産の額は1株当たり576円とされていますので、576円としました。

7.株式会社キャリア(マザーズ、新日本)

 同社は行使期間が異なる2種類の有償新株予約権を同時に発行していますので、以下は二つの合計で記載します。

 取締役2名(各回1名) 400個(40,000株)
 従業員55名(51名、4名)863個(663個、200個)(86,300株)
 全部行使時の希薄化割合 1.7%(1.1%、0.6%)
 新株予約権1個あたりの発行価格 1,649円(1,610円)
 総額 1,415,287円
 権利行使価格 2,738円
 権利行使期間 平成33年3月1日から平成60年3月30日(平成31年3月31日から平成60年3月30日)
 
 権利行使期間が長い方が発行価格が低くなっているので、行使条件をよく見比べてみると、発行価格が低い方は、「従業員については新株予約権を権利行使できる条件として、当社取締役または執行役員に就任することとする」というものがプラスして付されていました。この条件がついていることにより、権利行使期間が長くなっているものの発行価格は低くなっているようです。
 
8.株式会社イトクロ(マザーズ、新日本)
 取締役1名 45,000個(45,000株)
 従業員43名 193,750個(193,750株)
 全部行使時の希薄化割合 2.11%
 新株予約権1個あたりの発行価格 5円
 総額 1,193,750円
 権利行使価格 5,940円
 権利行使期間 平成31年3月31日から平成40年3月30日
 
9.株式会社ジェイホールディングス(ジャスダック、RSM清和)
 子会社取締役3名 1,200個(120,000株)
 従業員6名 750個(75,000株)
 全部行使時の希薄化割合 記載なし
 新株予約権1個あたりの発行価格 1,000円
 総額 1,950,000円
 権利行使価格 816円
 権利行使期間 平成31年4月1日から平成37年3月29日

10.ジャパンインベストメントアドバイザー(マザーズ、優成)
 「当社及び当社子会社の取締役、監査役、執行役員及び従業員」93名  3,047個(304,700株)
 全部行使時の希薄化割合 記載なし
 新株予約権1個あたりの発行価格 2,300円
 総額 7,008,100円
 権利行使価格 4,600円
 権利行使期間 平成31年4月1日から平成37年3月31日

上記では、業績達成条件については特に記載していませんが、業績達成業況によって行使できる割合に制限がかかっているものも多くなっています。付与範囲や数も各社によって異なり、一概にはなんともいえませんが、希薄化が2~3%位が多くなっています。

1月以降の各社の株価の推移は確認していませんが、1月中に24,000円を超えた日経平均が、3,000円近く下落したことによって、今がチャンスと考えた会社も多かったのかもしれません。

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