改正税効果早期適用は16社-2018年3月期
経営財務3361号の記事によれば、2018年3月決算において”「税効果会計に係る会計基準」の一部改正(企業会計基準第28号)”を早期適用した会社は16社だったとのことです(5月28日までに公表された決算短信に基づき同誌が調査)。
改正後は流動固定分類が不要となり、対象項目が何かを考えて流動・固定分類をしなければならないという煩雑さがなくなる一方で、評価性引当額の内訳や税務上の繰越欠損金に関する事項の注記もセットとなっているため、安易に早期適用を選択することができず、3月決算会社が非常に多い割に16社に止まったと考えられます。
早期適用した会社に経営財務誌が早期適用した動機を確認したところ、表示の簡素化による事務負担軽減を理由に挙げる声が多く聞かれたとのことです。
早期適用した16社を上場市場別にみると、東証1部が12社、東証2部が2社、JQが2社となっています。
16社の中には、東海旅客鉄道(東一、トーマツ)が含まれています。大きい会社というイメージだったので意外でしたが、前期有報によれば連結子会社は29社、海外子会社はなく、繰越欠損金もないので、早期適用は比較的行いやすかったということだったと推測されます。