税理士試験受験申込者数減少傾向が止まりません
2018年7月13日に国税庁が今年の税理士試験(第68回)の受験申込者数を公表しました。
今年の受験申込者数は38,525人で昨年よりも2,717人(6.6%)の減少となっています。科目別に見てもすべての科目で減少していますが、中でも財務諸表論は13.8%の減少と最も大きくなっており、簿記論も6.5%と大きく減少しています。
国税庁のHPから遡れる範囲で過去の受験者数の推移を確認してみると以下の通り、2012年以降右肩下がりで減少し続けています。
グラフでみるとそれほど大きく減少しているように見えませんが、2012年から2018年で約2万人受験者数が減少しています。絶対数で見ると、会計士試験(短答式2回の合計)の申込者数の2倍以上と大きいものの、会計士試験の申込者数は減少傾向が底を打ってやや増加傾向に転じています。
税理士試験の受験者数が下げ止まらない確かな理由は分かりませんが、以下のような理由が考えられます。
・単純に若年層の人口が減少してる影響
・会計士試験が年2回になって受験しやすくなったことにより会計士試験に流れる人が増えた(多少、会計士試験の受験者が増加しているのはそのためかもしれません)
・年2回になったことで会計士試験受験者が税理士試験の簿記論と財務諸表論を受けるというようなことをしなくなった(自分が会計士試験を受験していた頃には比較的みられた現象です)。
・AIで仕事がなくなるといわれている影響(会計士も同様ですが・・)
税理士試験に合格しても安泰というわけではなく、毎年行われる税制改正をフォローしていかなければなりませんし、取るか取られるか税務の世界では間違った際の訴訟リスクも大きいので目指す人が少なくなるというのも不思議ではありませんが、どこで下げ止まるのかは来年以降の動向を注視したいと思います。