閉じる
閉じる
閉じる
  1. 18監査事務所が会計士資格を誤表記で有報訂正が必要らしい
  2. 内部統制新基準が2025年3月期より適用に(公開草案)
  3. デューデリジェンス(DD)費用の税務上の取り扱い
  4. テレワークの交通費、所得税の非課税限度額適用の有無は本来の勤務地で判断…
  5. プライム市場上場会社、88.1%が英文招集通知を提供
  6. タクシー、インボイス対応か否かは表示灯での表示を検討?
  7. 副業の事業所得該当判断の金額基準はパブコメ多数で見直し
  8. 総会資料の電子提供制度、発送物の主流はアクセス通知+議案等となりそう
  9. 押印後データ交付の場合、作成データのみの保存は不可(伝帳法)
  10. 四半期開示の議論再開(第1回DWG)
閉じる

出る杭はもっと出ろ!

短信で「直近に公表されている業績予想からの修正の有無:有」としつつ、他に開示を行わないという選択肢もあることに気づいた件

2018年11月13日の正午に鹿島建設が第2四半期の決算発表を行いました。

通期業績予想の欄をみると以下の通り、「直近に公表されている業績予想からの修正の有無:有」となっています。

念のため1Q時の通期業績を確認してみると以下の通りとなっていました。両者を比較すると、前回予想に対して、売上は2%程度減少していますが、営業利益は11.1%増、経常利益は14.5%増とかなり増加しています。

しかしながら、「業績予想の修正に関するお知らせ」等は別途開示されていません。同社のホームページでIRライブラリを確認すると、以下の通り前期も2Qで業績予想の修正を行っていましたが、前期は2017年11月14日の同時刻に「業績予想の修正に関するお知らせ」が公表されていました。一方で、2018年11月13日付の同様の資料はHPに掲載されていません(東証の適時開示サイトにも短信以外の開示は行われていません)。


(出典:鹿島建設HP:IRライブラリー)

そこで今回の2Qの決算短信をみていくと、P3の「3)連結業績予想に関する定性的情報」に以下のように記載されていました。

最近の業績動向を路まえ、平成30年3月期決算発表時(平成30年5月15日)に公表した通期業績予想を修正しました。
売上高は、海外関係会社における減少を主因に、前回発表予想比2.0%減の1兆9,600億円を見込んでいます。
利益につきましては、当社の完成工事総利益率が向上する見通しとなったことを主因に、営業利益は前回発表予想比11.1%増の1,200億円、経常利益は同14.5%増の1,340億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同18.3%増の970億円となる見込みです。
詳細につきましては、【添付資料】P.15「3.補足情報(3)ハイライト情報(予想)」をご覧ください。

昨年2Q時の「業績予想の修正に関するお知らせ」においても、修正の理由は上記程度のことしか書かれておらず、情報量としては特にかわらないものの、このような形式の業績予想修正もありなのだとは認識していませんでした。改めて前年2Qの「業績予想の修正に関するお知らせ」を確認してみると、以下の通り「親会社株主に帰属する当期純利益」の増減率が適時開示基準の30%以上となっていました。このことからも適時開示の要件には該当しければ、こういう形の業績予想修正でも東証は何も言わないということなのだと推測されます。

それにしても、正午に開示されており、2Qの実績が以下のように営業利益ベースで対前年比で2割以上落ちているので、サラリーマンの個人投資家は通期業績予想が上方に修正されているということに気づかず売り注文を入れてしまうということが起こりうる気はします。資料が公平に開示されている以上、きちんと読まないほうが悪いと言われればそれまでですが、業績予想の修正は別途開示されるはずと思い込んでいると、痛い思いをする可能性があるということに初めて気づきました。

株主からのお叱りの電話が怖いので、個人的には、この事例をまねることはしませんが、引き出しの一つとしてこんな方法もあるというのは覚えておこうと思います。

関連記事

  1. コーポレート・ガバナンスコードの改訂案が公表-改訂後の報告提出期…

  2. 決算短信合理化は平成29年3月期より適用開始

  3. 平成26年3月期第1四半期の留意点(その2)

  4. 決算短信における業績予想開示の傾向

  5. 3月決算会社の会社法監査報告書分布状況-JICPA公表

  6. 監査人の交代が3年連続で増加




カテゴリー

最近の記事

ブログ統計情報

  • 12,946,893 アクセス
ページ上部へ戻る