2018年4月期~2019年2月期 開示すべき重要な不備は19社
経営財務誌の調査によると、2018年4月期~2019年2月期決算会社の提出した内部統制報告書において「開示すべき重要な不備」が開示されていたのは19社であったとのことです(経営財務3414号)。
なお、同じく同誌の調査によれば2017年4月~2018年3月決算会社の内部統制報告書で「開示すべき重要な不備」が記載されていたのは28社とされています。3月決算会社が大多数なので、3月決算会社が集計されてみないことにはなんともいえませんが、上場会社のうちのおよそ2/3が3月決算会社であることからすると、最終的には昨年を上回る社数となるのではないかと推測されます。
「開示すべき重要な不備」を開示した会社を市場別に集計すると、東証一部5社、東証二部3社、JASDAQ7社、マザーズ4社とのことです。各市場の上場会社数に対する割合で考えると、新興市場で「開示すべき重要な不備」が開示されていることが多いといってよさそうです。
「開示内容を大きく分類した」結果としては、最も多かったのが「会計処理の誤り等」で9件、これに「不適切な会計処理等」5件、「経理部門などにおける人材不足」4件と続いているとのことです。
経営財務誌の記事では「子会社における内部統制は引き続き課題」と述べられており、最近のMTGなど海外子会社での不正などが多いイメージはありますが、子会社における不備の件数は「会計処理の誤り等」で2件、「不適切な会計処理等」で1件と、この区分ではイメージほど多くはないと感じました。とはいえ、上記以外の区分も合わせると19件中7件が国内外の子会社関連のものとなっており、全体的にみればやはり子会社における内部統制で問題が生じることが多いという整理になりそうです。
最後に、前年度に「開示すべき重要な不備」を開示し、今年度においても不備を改善することができず「開示すべき重要な不備」を開示することとなった会社が3社あったとのことです。なお、確認したところ3社いずれも、当該有価証券報告書の監査をもって会計監査人が交代していました。